見出し画像

[2017.10]特集:これからの「ワールド・ミュージック」〜松山晋也の選ぶ「俺のワールド・ミュージック」

本号の「ワールド・ミュージック」を考える鼎談に参加していただいた高橋健太郎氏、松山晋也氏、吉本秀純氏の3氏に、ご自身が「ワールド・ミュージック」と考えている音楽の中から、近年の優れた作品を紹介してもらいました。

選・文●松山晋也

① Irma Osno『Taki - Ayacucho』(2017年、ペルー)

画像1

●ペルーのアンデス山中のアヤクーチョ地方で生まれ育ち今は秩父で暮らすイルマ・オスノがケチュア語で伝承曲を歌った本作は強烈な純血性を誇示しつつ、同時にユニヴァーサルな律動と調和を奏でてもいる。秩父の水子地蔵とアヤクーチョの精霊たちが同化した歌など、聴くたびに名状し難い感情の塊が腹の底から突き上げてくる。

ここから先は

1,940字 / 9画像
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…