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[2020.11]【「ラ米乱反射」電子版 第4回】バイデン次期米政権とラテンアメリカ

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)

 2020年11月3日実施の米大統領選挙は7日、ジョセフ(ジョー)・バイデン民主党候補の当選が事実上確定した。共和党の現職ドナルド・トランプ候補は再選を阻まれた。ラ米諸国は全体としてバイデン当選を歓迎している。
 トランプのラ米への関心は薄かった。大統領として訪問したのは、ブエノスアイレスでのG20首脳会議時に亜国(アルゼンチン)を訪れただけだ。歴代米大統領のなかで米州首脳会議不参加を決め込んだのはトランプだけだ。
 外交政策は、マイク・ポンペオ国務長官、安保担当補佐官だったジョン・ボルトン、キューバ系で連邦議会上院外交畑のマルコ・ルビオ議員ら右翼・極右の言いなりになり、ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領への賛否の意思表示をラ米諸国に強制し、ラ米およびカリブ諸国を分断、これによって影響力を行使した。キューバとニカラグアも厳しい締付けに遭った。
 ほかは経済難民の流入を遮断するメキシコ・中米諸国向けの政策や、米加墨3国間の貿易協定を「米国に不利」として、1994年発効のNAFTA(北米自由貿易協定、西語ではTLCAN=北米自由貿易条約)を大幅に見直すのに力を入れた。その結果、USMCA(米墨加協定、西語でT-MEC=墨米加条約)が20年7月1日発効した。
 バイデン次期政権とラ米との関係がどうなるか、俯瞰し展望してみる。

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