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[2019.05]通算25作目のアルバムは エキサイティングなビックバンド ミシェル・カミーロ

文●山本幸洋

text by TAKAHIRO YAMAMOTO


 躍動するピアニスト:ミシェル・カミーロの新作『エッセンス』が日本先行発売(4月24日、US発売は6月7日)される。しかもボーナス・トラックもついているというニッポン・プレミアムだ。通算25枚目という節目の記念作にミシェルはゴージャスにビッグ・バンドを選んだ。ピアノ・トリオをベーシック編成としているミシェルであるから、まさにダブルのプレミアムということになる。そこで『エッセンス』に込めた思いを語ってもらった。ミシェルのビッグ・バンド作品には『ワン・モア・ワンス』(94年発表)と、そのライヴ版『カリーベ』(94年録音、09年リリース)がある。(構成と文責:山本幸洋、協力:太田亜紀、ソニー・ミュージック)

── 『ワン・モア・ワンス』とはレパートリーの重複がなく、2000年代以降の選曲がメインですね。

ミシェル・カミーロ 『ワン・モア・ワンス』は『ワン・モア・ワンス』(もう一回だけ)だからレパートリーを重複させるわけにはいかない。ビッグ・バンドとして完全に新しいレパートリーだ。僕のトリオのレパートリーから選曲してる。僕のアルバムに収録されている曲にはそれぞれ意味があって、アーティスト人生のそれぞれの〝時〟を刻んできた選ばれた曲ばかりだ。それぞれの曲に異なる感情が込められていて異なる視点がある。収録曲はファンには馴染みの深い曲ばかりだけど、ビッグ・バンドでは初めてのレコーディングだ。初期の曲では「And Sammy Walked In」と「On Fire」が、アルバム『On Fire』(89年)に収録されてる。

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