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[2018.10]壮大な水の旅路を歌い奏でる “アグアス・トリオ” オマール・ソーサ& ジィリアン・カニサーレス featuring グスタボ・オバージェス

文●佐藤由美 text by YUMI SATO

 アフロスピリットの体現者にして、異能のピアニスト、オマール・ソーサ。長身、導師の風貌ゆえに、どうも厳粛で内省的と思われがちだが、ライヴは実に天衣無縫。彼の音楽は遊び心に満ち満ちている。とりわけ昨秋、セネガル出身コラ奏者セク・ケイタ、ベネズエラ出身パーカッショニスト、グスタボ・オバージェスとのパフォーマンス(10月24日@晴れたら空に豆まいて)は、稀にみる痛快さだった。はらわたを鷲づかみにされ、濃密なのに後味すっきり。セク・ケイタとの二枚看板アルバム名『トランスペアレント・ウォーター』(透き通った水の意)にふさわしく、清冽な響きに導かれた歓喜のコラボは忘れがたい。

 だが、行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず……。オマール・ソーサは、成功の方程式を反復しない男。流れを止めないのが哲学とも言えよう。最新作『アグアス』(スペイン語で水)は、コラに代わるヴァイオリンとの対話が心地よい。ジィリアン・カニサーレスは、オマール・ソーサと同じくキューバ出身、スイス在住の気鋭の演奏家だ。今回もグスタボ・オバージェスが加わり、約4年半ぶりのブルーノート東京公演に臨む。

「水は自在に形を変え、エネルギーとパワー、破壊と創造を繰り返す。生きとし生けるものすべてに生気をもたらし、大気中の雲霧はもとより、地上のせせらぎ、湖水、河川、大洋、氷河、地下水脈へと姿を移しながら、普遍的に地球に存在している」と、彼は言う。

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