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[2019.02]さとうもかと入江 陽

文●入江 陽 text by YO IRIE

 さとうもかさんは1994年生まれ、岡山県出身・在住。現在制作中の彼女のセカンド・アルバムにプロデューサーとして参加している私、入江陽は1987年生まれ、東京出身・千葉在住。そんな2人のシンガーソングライターで、歌や作詞作曲について対談してみました。

最初から歌いたかった人と、特に歌いたいわけではなかった人

入江 陽 シンガーソングライターたちは、最初から歌いたかった人と、特に歌いたいわけではなかった人、に分かれる気がします。自分は後者で、曲だけ作って他の人に歌ってほしいと思ってたんだけど、自分が歌うほうが手っ取り早いな、と思って歌い始めた感じもあります。もかさんは歌いたい人でしたか?どんな子供時代だったんだろう。

さとうもか 歌いたかった人です! 小学校のときは明るく元気で、劇をやろう、と友達を誘って自分が主役をやるような人間でした(笑)。ませた小学生で、ファッション雑誌を読んだり、両親に頼んでトイカメラを買ってもらったり。中学校に入ってボイスレコーダーを買ってもらってからは、部活が終わって家に帰ったら部屋で隠れて毎日歌の練習をしていました。YUI さんのCDとか流しながら。モバゲー(SNS)のコミュニティに歌を投稿したら「天使の歌声だ」と感想を言われたことがうれしかったの覚えてます(笑)。入江さんは、歌上手いですよね。どんな感じでその歌い方になったんですか?

入江 陽 歌上手いと言われてる原稿を自分で後でまとめるの、恥ずかしいな(笑)。大学時代にオーケストラでオーボエという木管楽器を吹いていて。管楽器は周りの音を聴きながら、自分の出している音も常に調整しながら音程をとるから、シンセみたいに押したら必ずこの音程が出る、みたいな感じではなくて、それは訓練になったかな。シンセも大好きだけど。あとは、指揮者の佐藤雄一先生という方に音楽の基礎を、やさしく面白く狂おしく、教えていただいた。

さとうもか 自分の弟と名前が似てます。

入江 陽 それは運命ですね(笑)。なんというか、重力の法則みたいに、音楽にも根本となるルールがあって、それを教えていただいたから「あまり下手に聞こえない」ためのテクニックが少しあるかも。モデルさんとかがキレイに歩くのも、もしかしたら上手いというよりは、下手に見えない・不恰好に見えないというところが本質だったりするのかもしれない。だからもっと崩していくというか、ドンドン歌い込んで、色んな味の歌が歌えるようになりたいです。

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