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[2018.07]世界のヒップホップ ストリートミュージックは鳴り止まない⑥ 〜ブラジル・アルゼンチン・その他南米〜

●ブラジル

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文●ヂエゴ・ムニス  text by DIEGO MUNIZ

 Criolo(クリオーロ)、Emicida(エミシーダ)、Karol Conka(カロル・コンカ)など新世代のアーティストたちにリードされて、ブラジルのラップの表情が変化している。より広範囲なテーマを歌い、積極的にさまざまなリズムをミックスすることでMPBとの距離を縮め、そうしてポピュラーな音楽ジャンルになった。

 異なるスタイル、幅広いジャンルがこうして世の中に受け入れられるようになったのは、現在のラップがもたらした成果でもある。2000年代の最も象徴的なアルバムである『Nó na Orelha』で、クリオーロは、郊外の貧しい地域の問題を訴える力、そしてライムのパワーを失わずにアフロビート、レゲエ、サンバ、ブレーガなどのリズムを流暢に使いこなした。

「クリオーロはスタイルやジャンルなどを超えて、ヒップホップの聴衆が他の音楽を聴くように仕向け、ラップを聴いてこなった人たちに、ラップに注目させたんだ」とヒップホップ文化に精通するジャーナリストのジルベルト・イワナガは言う。

 この新しい世代のもう一つの特徴は、MPBの大物たちとのつながりだ。最新作『10Anos de Triunfo』でエミシーダは、カエターノ・ヴェローゾ、ヴァネッサ・ダ・マタなどと共演したし、クリオーロは、ネイ・マトグロッソやガル・コスタなどに曲を提供した。「ラップとポピュラー音楽の境界などもう見えない。特にいま、アーティストたちの間でジャンル分けをするのが難しい」と語るのは、ブラジルのヒップホップ作品を多数手がけるプロデューサーのダニエル・ガンジャマンだ。

 変革のときを迎えているのはビートだけではない。90年代に、Racionais MC's(ハシオナイス)がファヴェーラ(貧民街)の厳しい現実を、歌とともに世の中に訴え、アグレッシブな印象があった都会的なリリックも、最近異なった色を帯び始めた。

 新しいテーマを歌い、娯楽や、愛、希望を歌うスペースができた。ブラジル南部の都市、クリチバ出身のラッパー、カロル・コンカは、女性、黒人、セクシャル・マイノリティのエンパワーメントを語る上で代表格のアーティストだ。

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