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[2018.10]映画評 『運命は踊る』

文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU

 イスラエルのイメージは?と聞かれれば、政治的には最悪だ。ただしクリエイティヴな方面であれば、その斬新でオリジナリティ溢れる素晴らしさに、いつも驚かされる。

 例えば新しいジャズでは、アヴィシャイ・コーエンを中心とした幅広い人脈が、独特な音を創り出す大きな潮流になっている。コンテンポラリー・ダンスでは、オハッド・ナハリンが世界で注目を集め、日本でも人気の高いインバル・ピント&アブシャロム・ポラックは、日本の人気俳優が出演する舞台を何本も演出している。現代美術は、特に世界的に名は知られていないが先鋭的で面白い作家が大勢いる。そして本作もこれらのイスラエルが誇る才能が生んだ作品に通じる斬新さを感じさせ、ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリ他、数多くの賞に輝いている。

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© Pola Pandora - Spiro Films - A.S.A.P. Films - Knm - Arte France Cinéma – 2017

 運命、偶然、必然、天罰、因果応報、そして神様の掌の上で転がされている感覚。本作を観ると人の意志の及ばない、何か大きな力によって人生が動かされているのでは、と思えてくる。兵役で戦地に赴いた息子の死に、両親は深い悲しみに沈む。しかしその死が同姓同名の人違いと判明し、母の悲しみはすぐに喜びに、父は軍に対する怒りへと変わり、二人の心はやがて離れていく。

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