[2019.04]平成のワールドミュージック ④平成16年〜平成20年

●平成16年(2004年)

◆中華圏全体に愛されるジェイ・チョウの最高傑作

『ジェイ・チョウ/七里香』

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 平成を代表する中華圏のアーティストとして多くの人がジェイ・チョウを挙げるだろう。それほど圧倒的な力を持つ存在。例えば、彼の曲が学校の教科書に載っているとか、中国で30社以上のCMに出ているとか、中国中央電視台の大晦日特番で彼が出た瞬間視聴率が95.6%だった……など枚挙に暇がない。映画の世界でも俳優・監督などで大活躍。が、なんといってもジェイの成功は音楽に始まる。

 2000年にアルバム・デビューした途端、大ブレイク。それほどジェイの作る曲は中華圏全体に愛された。幼少からピアノを学びクラシック音楽に精通、それをベースにR&B/ヒップホップ、中華風サウンドを見事に融合させ、それまでに誰も成し遂げなかった洗練されたポップスを作りあげたのだ。

 そしてなんといっても中華圏は美しい旋律が愛される。切なく哀しくも温かい珠玉のメロディを書けるのがジェイ。5作目にあたる『七里香』はそういうジェイが聴ける最高傑作、今聴いても完璧な制作に舌を巻く。(関谷元子)

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