見出し画像

[2019.02]フェルナンド・マルサン楽団「グラン・ヒストリア」で来日する新星ふたり アルフレド・ピティス&マリア・ホセ・ロハス インタビュー

文●西村秀人 text by HIDETO NISHIMURA

 記念すべき民音タンゴ・シリーズ50回目のショウ「グラン・ヒストリア」で来日するフェルナンド・マルサン・セステートには今回初来日となる2名の歌手が帯同する。

画像1

 男性はアルフレド・ピティスで、1974年ブエノスアイレス生まれの現在44歳。2002年、ラ・ファルダ・タンゴ・フェスティバルで行われたSADAIC主催の歌手コンクールで2位に入賞したことをきっかけに本格的に活動を開始、2004年から2007年まではコルドバのホルヘ・アルドゥ楽団の専属歌手として活動、その後ブエノスアイレスへ活動拠点を移してエスキーナ・オメロ・マンシ、ボカ・タンゴ、タコネアンド、サボール・ア・タンゴ、カフェ・デ・ロス・アンヘリートスなどのタンゲリーアで歌い、現在に至る。

 2010年からはグスタボ・ルッソ監督によるタンゴ・ショウ「タンゴ・セドゥクシオン」にも参加、チリ、ロシア、ギリシャ、オーストリア、ポーランドで公演。2011年からファビアン・ベルテーロ率いるビッグ・バンド・タンゴと共演、アルバム、海外公演にも参加した。2014年から15年にかけてスイスとイタリアを単独で公演。2015年にはオラシオ・サルガンの99歳記念コンサートに出演し、セサル・サルガンと共演。また同年にはソロ歌手として最初のアルバム『デ・ビエント・イ・ソリタリオス』を発表。近年も「タンゴ・ヘヌイネ」「へネシス・タンゴ」「クロマティカ」「オトーニョ」など様々なタンゴ・ショウに参加して海外公演も行っている。

画像2

 一方マリア・ホセ・ロハスは1971年コルドバ生まれで現在47歳。小さな時から歌に親しみ、長く合唱団で歌ってきたが、1995年にタンゴを歌い始める。2010年ブエノスアイレスに移住するが、現在に至るまでコルドバとブエノスアイレスの両方で活躍している。コルドバ州立都市音楽オーケストラ(初めはオスバルド・ピーロ指揮、その後ダミアン・トーレス指揮)、国立フアン・デ・ディオス・フィリベルト記念アルゼンチン音楽オーケストラ、クリスティアン・サラテ六重奏団などと共演、タンゲリーア「カフェ・デ・ロス・アンヘリートス」、ショウ「ロホ・タンゴ」などにも参加、中南米諸国、イギリス、スペインでの海外公演も行った。

 インタビューは今年の年明けにメールを通じて行ったものをまとめたものである。

ここから先は

3,347字
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…