見出し画像

[2019.07]【連載 TÚ SOLO TÚ #230】追悼 日本サルサの草分け的存在 イラストレーター 河村要助

文●岡本郁生

 死ぬときは別。

 言葉の意味はわかっているつもりだったが、その痛みを実感する日がこんなにも早く訪れようとは思わなかった。

 日本を代表するイラストレーターであり、1970年代の初頭からサルサという音楽を先頭に立って紹介してきた張本人、素晴らしい文章で我々を未知の世界へといざなってくれた天才、河村要助が75歳であの世へ旅立ってしまったのである。

画像1

 1970年代の頃の河村要助

 河村要助という名前を最初に意識したのは高校生のとき、ニッカの「黒の、50」というCMでだった。そこには、まさに「アメリカン」なんだけどどこか割り切れない、いわゆるバタ臭いのになんだか妙に醤油の匂いもする、無国籍なのに懐かしい、摩訶不思議なカッコよさが溢れていたのだ。

 今回、訃報とともに配信されたプロフィールには、こうある。

ここから先は

2,744字 / 3画像
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…