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[2020.11]石郷岡 学【特集 私の好きなアジア映画】

選・文●石郷岡 学

 あまりに瑞々しい「冬冬の夏休み」(ホウ・シャオシェン監督:台湾)や、鮮烈な「紅いコーリャン」(チャン・イーモウ監督:中国)、スタイリッシュな「欲望の翼「(ウォン・カーウァイ監督:香港)、これらを体験して以来、私は彼らの作品にすっかり魅了され、常に東アジアの映画を追い続けている。同じ東アジア人であるが故に、これらの映画に託されたテーマは、日本人の情感にも親和性が高く、説明が多くなくとも共感し得るものが多い。上記以外にも代表的な監督をざっと挙げれば、台湾のエドワード・ヤンやツァイ・ミンリャン、中国のチェン・カイコー、少し若い世代のロウ・イエやジャ・ジャンクー、韓国のポン・ジュノ、イ・チャンドン、キム・ギドク、パク・チャヌク等々、東アジアには世界の映画祭を席巻する、個性的で作家性の高い監督が枚挙に遑がないのだ。その中から3本を選ぶのは全く不可能なので、あくまでも「今見て欲しい作品」を選んだ。

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