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[2019.11]【連載 それでもセーヌは流れる 130】アメリー・ノトンブの パーソナル・ジーザス

文●向風三郎

1) アメリー・ノトンブ『渇き(Soif)』(2019年8月 アルバン・ミッシェル社刊)

アメリー・ノトンブ『渇き(Soif)』

(2019年8月 アルバン・ミッシェル社刊)

フランスの文学シーズンは毎年8月末に始まる。2019年もこの夏の終わりに各出版社から合わせて524編の小説が発表され、それが11月の文学賞(ゴンクール、ルノードー、メドシス、フェミナ等)発表に向けて、メディアと書店店頭でのプロモーション合戦があり、各賞発表後は受賞作が何万から何十万部の売上を確実なものにする。最高峰の文学賞は言うまでもなくゴンクール賞であり、今年は20世紀文学の金字塔『失われた時を求めて』(マルセル・プルースト)の第1巻「花咲く乙女たちの影に」が同賞を受賞して100年めという記念すべき年。

 28年前から欠かさず毎夏の終わりに新作小説を発表し、毎回ベストセラー1位になることで知られるベルギー人女性作家アメリー・ノトンブは、8月21日に28作めの作品『渇き(Soif)』を初版18万部という破格の冊数での店頭展開で出版した。この原稿を書いている9月末現在で『渇き』は不動の売上1位を続けていて、のべ30万冊を突破したと言われている。その上長いノトンブの作家キャリアで初めてかの最高峰の文学賞ゴンクールの候補作として、現在第二次選考まで残っていて、10月27日の第三次選考(最終4作が残る)、11月4日の受賞作発表を待つ身となった。

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