[2018.09]ブラジル音楽の「今」を 知るためのディスコガイド
文●岩佐智子 text by TOMOKO IWASA
中原仁監修・選曲のディスクガイド本「21世紀ブラジル音楽ガイド」とコンピレーションCDが同リリースされた。ブラジル音楽の入り口の多さと、間口の広さが感じられると同時に、ブラジル音楽の魅力に気づくこと間違いなしの一冊だ。
『Musica Brasileira No Seculo 21(21世紀ブラジル音楽ガイド)』
中原 仁(監修)ele-king books
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—— どういう思いで、この本を作られたのですか。
中原 仁 世の中のスピードが全てにおいて速くなっているのと並行して、音楽の移り変わりというのも21世紀に入って、どんどん加速化している。特にブラジルの音楽は幅がとても広いので、そういった中で、様々な分野で、新しい人たちがどんどん出てきて、しかも出自の違うアーティスト同士がどんどん出会って交流して、人脈数珠繋ぎ的な。同時に音源を作って世に出すことが昔に比べてコスト的にも、プラットホーム的にも間口が開かれている。そういった世の中になってきたので、それをフォローしてどこかでまとめておかないと、こっちが忘れて追いついていけないんじゃないかという思いがずっとあったんですよ。こういった本を漠然と考えている時に、ele-king booksの野田努さんから、お声をかけていただきました。野田さんは本当に様々な音楽に精通しておられる、編集長としてもプロフェッショナルで、そういう方が、ブラジル面白いねと気付いてくれたっていうのが、すごく実は後押しになったんですよね。
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