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[2018.06]室内楽アンサンブルの美しき革命児 Cicada(シカーダ) 台湾の海から 世界にメッセージする

文●北中理咲 text by LISA KITANAKA

 〝Cicada〟という5人組の室内楽ユニットが台湾の音楽シーンで静かに熱い。結成は2009年、ライヴ・デビューは2010年。ファーストアルバム『Pieces』は、台湾で大ヒットを記録した。その後、台湾の海や生物をテーマにした作品を発表。2017年11月リリースの『White Forest』でその視点はさらに深まった。

 台湾では、BGMとしてカフェやギャラリーでさりげなく選曲されているCicadaの音楽。姿はなくとも響く音。まるで蝉の声のように。それが、Cicada=「蝉」のネーミング由来なのだという。蝉なので、潜伏期間も長い。メンバーそれぞれのプロフェッショナルな仕事やクリエーティブ活動をこなしながら、音楽にとりくんでいる。

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