[2017.12]アゴスティーナ&アクセル─タンゴダンス世界選手権ステージ部門で頂点に立ったダンスカップル
文●坂本 悠
2017年8月23日、ブエノスアイレスで行われたタンゴダンス世界選手権ステージ部門の頂点に立った日系3世のアクセル・アラカキとアゴスティーナ・タルチニ。ペアを組んでわずか10ヶ月での優勝だった。来年早々から始まる民音タンゴシリーズ〈49〉「ファビオ・ハーゲル・セステート」の全国公演に出演が決定している若きダンスカップルに話を聞いてみた。
タンゴとの出会い
アクセル 僕はアルゼンチン人の母と日系二世の父親のもと、日本で生まれました。田舎町で他の子達と同様に走り回って育ち、小学生の頃は野球少年でした。下手でしたが……(笑)。中学ではブレイクダンスやヒップホップを踊っていました。 母がタンゴダンサーなので小さい頃から間近でよく見ていましたが、興味を持ち始めたのは高校生になってからですね。はじめて踊ってみたとき、ひとりで踊るストリートダンスとは違って二人で踊り、僕のリードによって相手が踊ることにとても興味深いと感じたんです。あと、タンゴはリードの合間に足技を色々と入れていくのも魅力的ですよね。高校を卒業してからタンゴダンスの講師として本格的に活動をはじめ、ショーなどにも出るようになりました。
アゴスティーナ 私はアルゼンチンの北部に位置するサンティアゴ・デル・エステロ州にある小さな町で生まれました。友達に囲まれてたくさん踊りながら幸せに過ごしましたが、家族にタンゴダンサーはいなく、祖母がミロンガなどで踊るくらいであまりタンゴとの接点はありませんでした。15歳の時、カルロス・ガビートの踊る映像を見てタンゴに惚れ込み、フォルクローレのダンススクールで習い始めました。私の生まれ育った町はタンゴが盛んではないので習う環境には苦労しましたね。17歳からブエノスアイレスに出てからようやく本格的にタンゴに取り組めるようになりましたが長い道のりでした。
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