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[2018.09]ウェイン・ショーターを支えるジャズ・ジャイアンツが目指すグローバル・ジャズ 「パナマの英雄」 ダニーロ・ペレス

文●山本幸洋 text by TAKAHIRO YAMAMOTO

 90年代半ば、ラテン・ジャズという音楽がようやく認知されてきたころ、出自の違う二人の若手ミュージシャンの動向が気になっていた。私と同世代のそのひとりはエディ・パルミエリの初来日に帯同したプエルトリコのサックス奏者ダビド・サンチェス。もうひとりがパナマのピアノ奏者ダニーロ・ペレス(1965年生まれ)。ディジー・ガレスピーが率いる国連オーケストラ(ディジーの死後、パキート・デ・リベラが引き継いだ)のメンバーでもあり、お互いの初期CDでそれぞれプレイする間柄だった。なかでも私が最初に入手したダニーロのCD『The Journey』(セカンド、RCA傘下Novusレーベル)の衝撃は忘れられない。タイトルが意味するのは、奴隷貿易によってアフリカから連れてこられたアフリカ人およびその文化が苦境に負けず自由を勝ち取るという長い旅であり、そのコンセプトと音楽感がマッチした巨大なスケールにワクワクした。

 その後も順調にキャリアを積み、2000年にはウェイン・ショーターのカルテットに参加、東京ジャズにも出演しメイン・ストリームでも、その名を知られるようになった。今回は、ウェインのいないピアノ・トリオでの共同名義による近作を手土産に、リーダーとして初の来日公演である。(5月23日、都内にて。協力:ブルーノート東京)

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