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[2017.07]大工哲弘『八重山歌謡全集』が完成

文●松村 洋

 大工哲弘は1948年、沖縄県石垣市新川生まれ。受賞歴多数、海外公演体験も豊富な八重山民謡の第一人者だ。今春、大工が八重山地方の伝統歌謡177曲に三線一挺で取り組み、独りで歌いきったCD10巻の『八重山歌謡全集』が完成した。今回の全集について、郷土八重山の歴史と歌のあり方について、大工は気さくに率直に持論を語ってくれた。

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—— この全集の反響はいかがでしたか?

大工哲弘 偉業を達成したねとか、お褒めの言葉をたくさんいただきました。例えば、既存の八重山民謡集みたいなものは、だいたい1コーラスしか歌っていなかったんですよ。でも、八重山や宮古の歌は字余りが多くて、歌い方がよくわからない。そういう不満が、学んでいる人の間に、ずっとあったんです。だから、自分はフル・コーラス歌って録ろうと。その点は、先輩がやり残したことを実現できましたね。

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