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[2020.09]【「ラ米乱反射」電子版 第2回】太平洋とはどんな海か ─ マゼランの海峡通過から500年 ─

文●伊高浩昭(ジャーナリスト)

 ポルトガル(葡)人航海者フェルディナンド・マガリャンイスがスペイン船団を率いて南米大陸南端の海峡を抜け太平洋に出たのは1520年11月28日。ちょうど500年前のことだ。「マゼラン海峡」と命名された水路は、パナマ運河が1914年に開通するまで400年近く重要な航路だった。

 マゼランの航海によって大西洋と太平洋は結ばれ、大西・インド・太平3洋は葡人航海士ヴァスコ・ダ・ガマのインド洋航路開発によって、1497年以後に繋がった。

 伊人航海士クリストフォロ・コロンボ(西語名クリストーバル・コロン、英語名クリストファー・コロンブス)の率いたスペイン船団による1492年以降の米州世界到達は、西植民地征服者バスコ・ヌニェス=デ・バルボアによる1513年のパナマ地峡からの太平洋岸到達やマゼランの航海を可能にした。

 コロンブス以降の欧州人による南北アメリカ大陸の存在確認は、太平洋が「世界最大の海」であることをも確認したのだった。

 15~20世紀の600年の歴史を辿りつつ、「太平洋とはどんな海か」を考えてみよう。

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