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[2020.05]「私の思い出のラティーナ」アンケートその2

回答者その2 岸和田 仁 / 飯塚久夫 / 長嶺修 / 渡辺 亨 / 丸山 由紀 / 西村 秀人 / 佐藤英輔 / 原田 千佳 / 関口 義人 / 山口 元一 / 船津 亮平 /    宿口 豪 / 太田 亜紀 / 谷本 雅世 / サラーム海上 / 伊高 浩昭 / 栗本 斉 / 江利川侑介 / 山本 幸洋 / 本田 大典 / 岩切 直樹 / 高橋 健太郎 / 大石 始 / 安東 嵩史 / 松山 晋也 / 濱瀬 元彦 / 鈴木 多依子 / 清川 宏樹 / 村田 匠 / 高橋 慎一 / 岡部 徳枝 / 徳永 伸一郎 / 向風 三郎 / 石郷岡 学 / 坂本 悠 / 成田 佳洋 / 酒井 透 / 北中 正和 / 吉本 秀純 / 中原 仁

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岸和田 仁 Hitoshi Kishiwada

●企業駐在員として3回、のべ21年間ブラジル(レシーフェ、ペトロリーナ、サンパウロ等)住民だった。最近は書評欄に寄稿していた。隔月刊情報誌『ブラジル特報』編集人。著書に『熱帯の多人種主義社会』(つげ書房新社)ほか。

21岸和田

▲特に印象に残っている雑誌ラティーナの号、または記事

 1995年、16年ほど駐在していたブラジル(ノルデスチ&サンパウロ)から帰国した私は、感性的にはほとんどノルデスチーノだった。そんなカイピーラをラティーナ(本田社長、佐藤編集長(当時))に誘ってくれたのが故白石顕二さんだった。アフリカ文化研究者・アフリカ映画祭事務局長としてもラティーナ常連ライターとしても活躍していた白石さんとはかつてアミルカル・カブラルの翻訳(『アフリカ革命と文化』)で共同作業をしたこともあったからだが、この縁から私もラティーナの貴重な誌面を汚すライターの一員になったのだ。  

 そんな〝仮免ライター〟の寄稿第一号が、No.499の「レシーフェ 第一世界と第四世界の狭間で」であった。同号の特集は、〈特集 BRASIL95〉で、その巻頭記事が、国安真奈さん執筆の「シコ・サイエンス&ナサォン・ズンビ 新地域主義を携えてシーンを搔き乱す男たち」であった。いうまでもなく、「カオスのマンギ・ビート」(原題:泥んこからカオスへ)を引っ提げて1992年音楽シーンに登場したシコ・サイエンスたちがリードした〝マンギ・ビート革命〟といえるような文化運動を熱く語った記事で、拙稿はその背景となったレシーフェが抱える〝光と影〟といえる経済社会的格差と文化的多元性を補足説明したような内容であった。すなわち、サトウキビに象徴されるモノカルチャー(単一栽培にして単一文化)に対し、生物多様性のゆりかごであるマンギ(マングローブ)が象徴する多元的文化主義を主張したシコ・サイエンスが自らを「頭脳付きカランゲージョ(泥ガニ)」と名付けるに至ったのは、レシーフェ出身の地理学者ジョズエ・デ・カストロ(『飢えの地理学』の著者)から知的インスピレーションを得たからだ、といった背景について記したものだった。

 格差や矛盾だらけの町レシーフェは、同時に躍動的な文化革新運動がいくつも生起したところでもあり、そんな〝錯綜した魅力〟を持つ町に惹かれ続けた私としては、レシーフェ讃歌のつもりで書いた一文であった。

 そのシコ・サイエンスは1997年2月、交通事故で急死、享年わずか30歳であった。あれから23年もの時が流れた。

●出会いと別れの季節に聴きたくなる大切な1曲          ◉Chico César「Mama Africa」

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