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[2017.08]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #3 『ラ・プラタ川のアコーディオン奏者の集い』

文●フアン・フェルミン・フェラリス

 ラテンアメリカで最初にアコーディオンを聴いた人々の歴史/物語、それは変わりゆくものです、最初に南米にたどり着いた場所を主張する人たちのように。歴史/物語というのは、とりわけ誰が話すかによります。私の場合、ふたつのことが重要だと思わされました。アコーディオンがたどり着いたこと、そしてそれ自身が運んできた歴史/物語。おそらく誰もが移民によって存在していて、それは何よりつながりによって気付かされます。それが歴史/物語それ自身をもたらすのです。イタリア人とドイツ人がどちらが最初にたどり着いたか論争するのを想像してください。どちらも最も大切なことを忘れています。歴史を共有するということを。この物語は、ラ・プラタルのアコーディオン奏者の最初の集いについて書いたもので、争いに生きた人々とは正反対のことです。
 50人以上のアコーディオン奏者がこの地方の駅で実現した集いに参加しました。ラプラタのメリディアーノV地区を象徴する場所、それは打ち棄てられた古い駅でしたが、その消滅の数年後、都市の重要な文化施設として補修され再利用されます。毎週末様々なお祭りが行われ、手作り品と食べ物のフェリア、ムルガやカンドン、音楽ライヴや演劇が催されています。その時は、アコーディオンに捧げられた演目でした。

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