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[2018.06]風を奏でる音楽家のダイアリー #11 川のほとりのダイアリー(前編)

文 ● ジョアナ・ケイロス

 パラナーには悲しみのなか到着した。熱を出して、体調を崩していた。出発前に起きた個人的な出来事によって、心の不調が身体にも現れてしまった。クアルタベーの新作録音の準備、出発直前のライヴ、発熱したまま緊張続きの日々だった。時間通りに着いたけど、ブエノスアイレスからパラナー行きの最終のバスに間に合うかドキドキしながらの旅だった。パラナー川のほとりの町にはぐったり疲れて、悲しい気持ちをぬぐえないまま到着した。ルイス・バルビエロが朝バスターミナルに迎えに来てくれて、その後3週間過ごすことになったお家まで連れて行ってくれた。町の中心から離れた、バハダ・グランデのセバ(セバスティアン・マッキ)とネグロ(カルロス・アギーレ)のすぐ近くのお家。川の眺めがとても美しいところ。

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