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[2017.12]永遠のジャンゴ〜エチェンヌ・コマー監督に訊く

文●佐藤久理子

ナチス支配下の戦争の時代を生きた不世出の天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの知られざる物語が、初めて描かれる『永遠のジャンゴ』。

 音楽ファンなら興味があるないに拘らず、ジャンゴ•ラインハルトの名前はどこかで耳にしたことがあるはずだ。それぐらい彼は伝説的な存在である。ジミ•ヘンドリックス、エリック•クラプトン、カルロス•サンタナ、ビング•クロスビーなど、異なるジャンルの偉大なアーティストたちが一様に影響を受けた人物として名を挙げる、ヨーロッパ最高の〝キング•オブ•スウィング〟と言われたジャズ•ギタリスト。1930年代から50年代初頭まで活躍した彼は、自身の出自でもあるロマの音楽とジャズを融合させ、独自のジプシー•ジャズを生み出した。しかも18歳で負ったやけどの後遺症ゆえに、なんと2本指だけで弦を抑えるという驚異的な技法で、他の追従を許さないスウィングを奏でたのである。

「永遠のジャンゴ」サブ5ZZ

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