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[2019.11]パブロ・エスティガリビア 来日ツアー記念 インタビュー

文●鈴木一哉

text by KAZUYA SUZUKI

 タンゴの伝統の最良の部分を継承しつつ、そこに圧倒的な独自のピアニズムを織り込むことにより新たな境地を切り開いたパブロ・エスティガリビアが、本年9月に北村聡のバンドネオンと田中伸司のコントラバスとのトリオ編成で全9公演からなる日本ツアーをおこなった。彼の師匠に当たり今や最後の巨匠というべき地位にあるバンドネオン奏者ビクトル・ラバジェン、タンゴのコントラバスの最高峰オラシオ・カバルコスと組んだトリオのレパートリーの中からパブロがアレンジした曲を中心に取り上げて、パブロのソロ・パートも挿入し、深く記憶に残る迫真の演奏を聴かせてくれた。現在は拠点をニューヨークに移して新たな活動を展開しているパブロに、ツアー終了の翌日、近況を中心に話を聞くことができた。(通訳:宇戸裕紀)

── 今回の日本ツアーはいかがでしたか? 個人的には北村さんがいつにもまして力強い音で弾いていたのが印象的だったのですが。

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今回の来日ツアーの編成:Pablo Estigarribia(Pf),
Satoshi Kitamura(Bn),Shinji Tanaka(Cb) 
Photo by Masayo Tanimoto (PaPiTaMuSiCa)

パブロ・エスティガリビア 昨日終わったばかりなのですけど、北村聡さんと田中伸司さんという2人のマエストロと共演できて本当に嬉しく思っていますし、あらためて彼らの存在というものを強く感じました。北村さんのことは世界でも指折りのバンドネオン奏者だと思っていて、彼ぐらいの器の人だと最低限必要なことは言いますけど他は自由にまかせているので、昨日の演奏というものは彼が望んで彼の中から出てきたものなのです。田中さんは、カバルコスの弟子でもあったわけなので、カバルコスと非常に似たものを持っていて、とてもやりやすいものがありました。人間的にも合うなと思っていたのでツアーで非常にいい時間を過ごせました。日本でのツアーが終わるたびにノスタルジーというものを感じるのですけれど、今回はちょっと少なめでした。というのも、また戻るということを確信していますので。日本とアルゼンチンをタンゴで結ぶという自分の夢をまた実現できるかなと思っています。ツアーをするだけでなく、ワークショップやクラスを開講することもやってみたいなと思っています。

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