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[2018.08]特集:日本の新しい室内楽2018 オーランドー 林正樹×鈴木広志×相川瞳

文●松山晋也 text by SHINYA MATSUYAMA

 アルバム『オーランドー』は、昨秋上演されて評判を呼んだ演劇「オーランドー」(原作:ヴァージニア・ウルフ、演出:白井晃)のサウンドトラック作品である。「オーランドー」は音楽家3人が俳優たちと同じ舞台上で生演奏する、一種の音楽劇的作品で、このCDは劇伴音楽を改めてスタジオで録音したものである。演奏者は、作曲とピアノ担当の林正樹、本職のサックスの他フルートやクラリネットも吹く鈴木広志、そしてヴィブラフォン他各種パーカッション担当の相川瞳。3者が操る生楽器が極めて精妙なバランスで交わりながら美しい絨毯のような音楽を織り上げてゆく『オーランドー』は、今回の室内楽特集にまさにぴったりだろう。

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