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[2018.04]AFRO BAHIA 2018 〜アフロ・バイーアの静かなる新潮流〜メールインタビュー LUEDJI LUNA

メールインタビュー●宮ヶ迫 ナンシー理沙
texto por NANCI LISSA MIYAGASAKO

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©Danilo Sorrino

—— 生まれ育った環境や自身のストーリーについて教えていただけますか?

 私は、サルヴァドール出身です。カブラという地区で生ま れ、ブロタスというところで育ちました。今は、サンパウロとサルヴァドールを行き来しながら生活しています。音楽は、両親が聞いていた音楽にとても影響を受けました。ミルトン・ナシメント、ルイス・メロヂア、ジャヴァンその主な人たちで、それから、グレゴリー・アイザックス、アルファ・ブロンディ、ピーター・トッシュ、エヂソン・ゴメスなど父が聴いていた 80年代のレゲエ全般...... そうして、低音と管楽器に夢中になりました。そんななかで特に大きく影響し、私にとって学びの場となったのは、〈ハシオシーニオ・レント〉でした。バトゥーカし(太鼓をたたき)に我が家の中庭に集まった、父の職場の仲間たちが演奏し、ブラジルの一番いい大衆歌集を歌うのを聴きながら毎週末を過ごしました。そんな子ども時代を過ごしました。
 今、取り組んでいるプロジェクト「Um Corpo no Mundo」では、アンゴラ、カーボ・ヴェルデなどの音楽を参考にして研究しています。マイラ・アンドラーデ、サラ・タヴァーレス、アリニ・フラザォン、そしてバントゥの言葉で曲をつくるバイーア出身のチガナ・サンタナの作品や活動にとても共鳴します。

—— バイーアで生まれた黒人にルーツを持つ女性として、どのように作品に影響を与えていますか?

 バイーアで生まれたことは、私には恵みをもたらします。アフリカ以外でもっとも黒人度の高い街、サルヴァドール出身で、活動家の親の元で育ち、そういう教育を受けました。70 年代、80 年代に活発に活動していた活動家のもとに生まれた世代で、私はそんな親たちの政治的プロジェクトの一部であり、政治は家族の朝の食卓の中心的な話題でした。政治に無関係な芸術をつくるなんて、不可能なのです。まず、黒人女性としての自らの尊厳と生存を保証するために、そして私も活動します。私たちという存在を守るために、先祖が闘ってきたことに対して責任を感じるし、その闘いがあったから私が私でいることがいま許されるのだから。責任を感じます!

—— これまでのキャリアで影響を受けた人物はいますか?

 いいえ。反対に、私と音楽の関係性は常に否定の関係にあって、25 歳のときに歌手になって初めて自分を肯定し理解することができました。

—— これまで最もよく聴いたアルバムを 5 枚挙げてください。

5 人ならなんとか名前を挙げられます。

Youssour N’oudour、Trace Chapman、Edson Gomes、
Milton Nascimento、Vanessa da Mata

—— 日本の読者やリスナーへのメッセージをお願いします。

 いつか日本を訪れられることを楽しみにしています。近い将来だといいな。Abraços(ハグ)!

(月刊ラティーナ2018年4月号掲載)

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