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[2017.11]【短期連載】 The Latin Music is a Tramp! #4 ジミー・ボッシュ

文●山本幸洋

近年のジミーといえば、エディ・パルミエリの来日公演には欠かせない存在だ。ここ10年ほどエディは往年のハードなサルサを復活させ、長年愛用したCP70Mからグランド・ピアノに切り替えて、あのリフでオーディエンスをノックアウトしてきた。その傍らにはジミーのトロンボーンが常にある。(2017年7月11日、都内にて。協力:ブルーノート東京)

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写真提供/BLUE NOTE TOKYO 撮影/ グレート・ザ・歌舞伎町


—— 59年ニュージャージー州ホーボーケン生まれ。ボッシュさんという姓はドイツにルーツがありますよね?

ジミー・ボッシュ 確かにそうなんだけど、両親も祖父母も曽祖父母もプエルトリコ生まれさ。プエルトリコに来る前は、バルセロナ、ドイツ、オランダとかにいたらしいよ。

—— もしかしてジューイッシュ?

ジミー・ボッシュ ありうる!(笑)

—— どんな家族でした?

ジミー・ボッシュ すべてのプエルトリコの家族にとって音楽は重要だ。母がティーンエイジャーのときは歌うことが大好きで、トリオやクァルテートでパーティなんかでトリオ・マタモロスやトリオ・ロス・パンチョスとか歌っていたみたい。父はダンスが上手くて、しかもハンサム。両親は同じ町の生まれなんだが、そこでは出会っていない。母が7歳の時に祖母が亡くなり、16歳のときに祖父が母を連れてニューヨークへ移住した。その時に父はすでにニューヨークにいて、母が18歳の時に二人が出会い、その後ふたりはプエルトリコに戻ったことはない。75年だったかな、父が若くして死に、ボクは6人のきょうだいとともに母に育てられた。音楽はいつもボクの近くにあり、どんなときも味方になってくれた。

—— 好きだった音楽は? ロック?

ジミー・ボッシュ うん、ロックに、サルサやメレンゲはもちろん、テレビでセリア・クルースやラ・ルーペなんかを観ていた。プエルトリコのテレビ番組も多かったし。家ではスパニッシュだけだったなあ、学校へ行くようになってからロックを聴くようになった。でもさ、リズムが大好きだったからさ、(ロックの8ビートを口真似して)易しすぎたんだよね。ボクにはアフロ・カリビアン・リズムのドラムやパン、スティックが良いんだ。

—— 家ではスペイン語で、学校では英語で話していたんですか?

ジミー・ボッシュ うん、そうだね。あ、今はニホンゴも。日本人と結婚したんだ。Yuko Boschといってサルサのダンサーで、インストラクターでもある。2009年にニューヨークのサルサ・コングレスで出会った。彼女や彼女の友達との会話や辞書やYouTubeなんかで日本語も独学で勉強した。

 奥さんがボッシュ結子。サルサのダンサーでインストラクター。ニューヨークでサルサ修行をして現在もダンス・チームを率いて活動している。彼女にもジミーとの出会いを聞いてみた。09年のサルサ・コングレスだ。「私はダンス・パフォーマンスをしに日本からグループで参加しており、ジミーはエディ・パルミエーリとのライヴで来ていました。ジミーが個人的にブースCD販売していて、私が購入しに行ったのが彼と話すきっかけでした。その後は奇跡的に遠距離でも縁があり、2013年に結婚まで至りました」との由。現在、ジミーは日本とUSを行ったり来たりしているのだそうだ。エディの日本公演でジミーがスペシャル・ゲストと紹介されているのはそういった経緯があるからだろう。

—— なぜトロンボーン?

ジミー・ボッシュ テレビでダンスを見るのが好きで、それが音楽との繋がりだったんだけど、独学でギターを始めて、メロディを追って音を拾っていった。そんな経験があって小学校でリコーダーを習ったときに「オー、スザンナ」とかを吹いて見せたら拍手喝采でさ、それがエンタテインメントの嬉しさの原点になったね。で、5年生になって楽器を選ぶととき、本当はサックスが良かったんだけど、学校にはトロンボーンしかなかったんだ。でも、すぐに好きになって、2年後には地元でサルサを演奏していたよ。

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