[2018.11]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #17 『モギ』
文●フアン・フェルミン・フェラリス
ずっと昔に唯一のものに出会いました。何度も同じ部分を繰り返しました。
Si la mar fuera de leche / y los barquitos de canela / yo me mancharía entero / por salvar a tu bandera. (もし海がミルクで出来ていたら/そして、もし小舟がシナモンで出来ていたら/私は私自身を汚してしまうだろう/君の旗を救うために)
その後この断片が私に残っていることに驚きました。最初聴いた時は信じられませんでした。2度目はどうやっているんだと知りたくなりました。それはマルセロ・モギレフスキーです。
マルセロ・モギレフスキー
私は「La Serena」を知っていましたが、このバージョンを聴いたことはありませんでした。その声と、素晴らしいフルートさえ。まるで彼のために作られた曲でした。誰よりも上手く歌っています。彼のように曲を解釈して、彼のように歌いたいと思いました。彼と一緒に演奏したいとも。何年も経って、たまたま彼のクラスをとりました。少しずつ教えられたことの外にあることを理解していきました。彼のクラスで扱っているのが呪文の種類のようなもので、彼がそれに値する音楽家だとも。
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