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[2020.08]【沖縄・奄美の島々を 彩る歌と踊り①】 沖縄の神行事−他界からのカミを迎える

文:久万田晋(くまだ・すすむ 沖縄県立芸術大学・教授)

 沖縄の夏の風物詩といえば、若者が太鼓を片手に勇壮に踊り歩くエイサーや、地域の人々が東西に分かれて雄雌の綱を熱狂的に引き競う大綱引きがまっさきに思い浮かぶ。このように沖縄には、暑い夏の期間に多くの祭りが集中している。民俗学ではこれを「南島の夏正月」と呼ぶ。沖縄では本土と違って一年のいちばん重要な区切り(折目<ういみ、うんめ>、節<せつ、しつ、しち>などと呼ぶ)が正月ではなく夏の期間にあると考えられているのである。この夏の期間、沖縄には他にもさまざまな祭りがある。夏の折目にムラに神々を招いて来る一年を過ごす力をいただく海神祭、夏の折目に村々を祓い清めるシヌグ、あるいは旧盆の時期に家々に還り来る先祖達の霊を迎え歓待する盆行事などである。

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