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[2020.05]ルイーザ・ソブラル〜ポルトガルきっての 人気シンガー・ソングライターはニッポン大好き

文と写真●松山晋也   text and photo by SHINYA MATSUYAMA

 2017年のユーロヴィジョン・コンテストで優勝したサルヴァドール・ソブラルの「Amar Pelos Dois(二人の愛)」がポルトガルに初のグランプリをもたらした結果、その作曲者として、姉のルイーザ・ソブラルの評価はますます高まった。ルイーザは今や名実共に、ポルトガルのポップ・ミュージック・シーンを代表するシンガー・ソングライターである。そんな彼女が3月半ば、オーストラリア・ツアーの帰途で「昔から大好きな国」日本に立ち寄り、1日だけのライヴをおこなった。おりしもコロナ・パンデミックが急拡大し、母国に入国できなくなりそうだというバッド・タイミング。開演時間を早め、会場から空港に直行するというあわただしさだったが、予想を遥かに上回る素晴らしいパフォーマンスだった。ノスタルジックな雰囲気の弾き語りスタイルは、タイプとしてはノラ・ジョーンズやマデリン・ペルーに近いが、シンガーとしての繊細かつ多彩な表現力という点において今やルイーザは世界的にも最高レヴェルの一人、というのが私の実感だ。

 ルイーザ・ソブラルは1987年リスボン生まれ。米バークリー音楽院でジャズをみっちり学んだ後、2011年にアルバム『The Cherry On My Cake』でデューし、最新作『ローザ』(18年)を含めて計5枚のソロ・アルバムを発表している。ライヴ直前のインタヴューは、デビュー前の話から始まった。

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