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[2017.08]【連載 TÚ SOLO TÚ #208】パナマのサルサを熱くする第二弾がついにリリース! ルベン・ブラデスとロベルト・デルガードの最強タッグ

文●岡本郁生

 ルベン・ブラデスの活動が活発だ。

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ルベン・ブラデス

 現在、故郷のパナマを拠点とする彼は2015年、オルケスタを従えたサルサ・アルバム『ソン・デ・パナマ』を発表。さらについ先ごろ、その第2弾『サルサ・ビッグ・バンド』をリリースした。いずれも力のこもった中味の濃い作品であり、さすがルベンだ、とうならせられる素晴らしい内容となっている。

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ルベン・ブラデス・コン・ロベルト・デルガド&オルケスタ『ソン・デ・パナマ』(2015年)


 最近のルベン・ブラデスといってすぐに思い浮かぶのは、2012年リリース、チェオ・フェリシアーノとがっぷり四つに組んだアルバム『エバ・セイ・アハ』であろう。04年から5年間に渡って母国パナマの観光大臣をつとめたルベンは、任期が満了した09年にアルバム『カンタレス・デル・スブデサロジョ』を発表。ライヴ・ツアーも再開する中で登場した作品で、14年に交通事故で急死してしまうフェリシアーノにとってはこれが実質的に最後のアルバムとなってしまった。ルベンとチェオが互いに相手の好きな曲をピックアップ、それを自分が歌うという企画モノで、音楽監督/アレンジャーをつとめたのはプエルトリコの名プロデューサー=ルイス・ガルシアだった。

 1948年7月パナマ市に生まれたルベンは、子供のころからフランキー・ライモンなどのドゥーワップやポップス、ロックン・ロールなど米国の音楽が大好きだったという。しかし60年代半ば、パナマ市民と米軍との衝突をきっかけにアイデンティティに目覚め、スペイン語でラテン音楽を歌うようになっていく。このころの彼のアイドルが、当時ジョー・クーバ楽団の歌手として活躍していたチェオ・フェリシアーノだったのである。

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