[2018.08]特集:日本の新しい室内楽2018 〜日本の新しい室内楽35選
選・文●花田勝暁
ジャンルを超越した幅広い音楽的造詣とテクニックを持つ音楽家たちが、多様な編成のグループで、オリジナルで自由な音楽を追求し、それぞれのアンサンブルを深化/進化させ、東京から新しい室内楽的アンサンブルを生んでいる──
約3年ぶりの「日本の新しい室内楽」の特集です。この間も東京の器楽系シーンで、美しいアンサンブルが紡がれてきました。
「南米音楽を経験した日本人による新しい音楽」(2014年9月号)、「日本の新しい室内楽」(2015年9月号)に続く特集として、「新しい室内楽」を生み出している日本の音楽家を特集します。「日本の新しい室内楽」という眼差しを、よりはっきりと共有できるように、次のページにディスクガイド35選を掲載しました。
あなたは最近、いつ美しい音の響きに胸がしめつけられましたか? 聴くべき新しい音楽は日本からも生まれ続けています。
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中島ノブユキ『エテパルマ〜夏の印象〜』(2006年)
■伊藤ゴロー(g)や北村聡(bn)を迎え録音した中島の記念すべき1stソロ。伊藤志宏や林正樹も本作を初めて聴いた時の衝撃を語っており、東京の器楽系シーンに与えた影響は計り知れない。以降、甲乙つけがたい6作のソロ作を発表。
伊藤ゴロー『GLASHAUS』(2012年)
■伊藤ゴローの奏でるクラシック・ギターの音色を軸に、様々な編成での室内楽が奏でられる。伊藤ゴローの音楽的造詣とテクニック、透明感溢れる楽曲を生み出す作曲センスが結実した傑作。音楽が静かに心に吸収されていく。
伊藤志宏 3cello variation『タペストリア-tapestria』(2014年)
■東京の器楽シーンで最も信頼されるピアニスト、伊藤志宏と、個性の異なる3人の女性チェリスト(平山織絵、井上真那美、島津由美)によるユニット。志宏のペンによる情感と緊張感に溢れる物語が紡がれる純文学的至高の室内楽。
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