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[2016.12]連載 小松亮太のタンゴ場外乱闘 #7 ジャンルも人も十人十色、 だが…

文●小松亮太 text by RYOTA KOMATSU

 小松亮太さんの著書『タンゴの真実』が発売されたことを記念して、過去の月刊ラティーナに連載した記事を掲載致します。


 この世界に長く身を置いていると、向こうから歩いてくる業界関係者の「種別」を大まかに判別できてしまう。アロハや口髭(ジャズ)、地味な割に主張の強いボサボサ頭(クラシック・但し男性)、昭和っぽいパンチパーマ(演歌)等々だが、こうしたことは業界人のみならず愛好家にも強く表れるもので、矢沢永吉さんの公演会場に集結するリーゼントのおじさん達はいささか極端だとしても、とかくファンの外見的特徴や行動の傾向というものは、その音楽やアーティスト個人の持つ何かしらの特質を拡大したものと言っても差し支えないだろう。

 単に服装や顔つきについて言いたいのではない。そういった外見を形成するのは、その人の根っ子にある人間的性質なのだから、何故「その音楽」と「そういった人達」は互いを呼び寄せ合うのか、ちょっと考えてみたいのだ。

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