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[2018.09]映画評 『 顔たち、ところどころ 』

文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU

 ヌーヴェル・ヴァーグの、そして女流監督の先駆的存在で、フランスを代表する映画監督のアニエス・ヴァルダ。グラフィティ出身で後に写真を始め、写真のイメージを遥かに超えたスケールの大きな作品を屋外に生み出すフランス人アーティストJR(ジェイアール)。二人が出会い、そして二人で創り上げたドキュメンタリーが本作で、カンヌ国際映画祭ドキュメンタリー賞を受賞した他、世界中で高い評価を得ている。

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 ヴァルダの娘ロザリー(本作のプロデューサー)が誘って「お茶をした」二人はすぐさま意気投合し、3日後には一緒に動画を撮り始めていたという。そしてヴァルダの提案で二人はフランスの田舎の村を巡りながら撮影をすることになり、ドタバタな共同作業の旅が始まった。

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