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[2020.04]《100チェロ》を成功させたイタリア人チェリスト ジョヴァンニ・ソッリマ

文と写真●松山晋也 text and photo by SHINYA MATSUYAMA

 熟練のプロから8才の初心者まで、公募で集められた百人以上のチェロ奏者が一堂に会して演奏する壮大なプロジェクト《100チェロ》のコンサートを昨年東京で大成功させたイタリア人チェロ奏者/作曲家ジョヴァンニ・ソッリマ。その鬼才が来る5月に再来日し、各地でコンサートをおこなう。前後して最新アルバム『ナチュラル・ソングブック』も日本リリースされるので、ソッリマに対する関心はますます高まるはずだ。

 そこで、昨年来日時のインタヴューから、特に面白い部分を抜粋し、まとめてみた。

●まずは、ソッリマ・ファミリーについて。

 「シチリアのソッリマ家は200年以上にわたりピアニスト、チェリスト、ギタリストなど多くの音楽家を輩出してきた。1930年代には反ファシズム運動に携わる作曲家もいた。肖像画や写真、楽譜など、自宅には先祖に関わるものがたくさん残っているが、その楽譜を見ると、シチリアの伝統音楽や民俗音楽との関わりが強いものが多い。シチリアの音楽は昔からずっとソッリマ家の音楽のインスピレイション源になってきたんだと思う。私は5人兄弟だが、全員が音楽家として活動している。亡くなった父のアントニーノはピアニスト/作曲家で、パレルモ音楽院の教授でもあった」

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