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[2018.01]連載 太平洋の向こう岸からの手紙 #7 『ラス・コサス』

文●フアン・フェルミン・フェラリス

 おそらく、『ラス・コサス(物事たち)』の詩の特徴はタイトルにあるように、隠喩的な事象として物事を映しているところにあります。それは「透明な水」と「風」という我々がアルバムのオープニングとクロージングに用意した曲で多く見ることができます。この詩的なコンセプトを結合し、具体的な要素を根底に取り入れること、それはまた経験と感覚に基づいた描写によります。その場合には、水が走る、風が運ぶ、が共通のポイントです。しかしここで強調したいことは水の流れや風の息吹を感じるような表現、それがあなたに何かを気づかせるのです。

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 この意味では、詩はクリシェのように単によくあるメタファーになってしまうものではなく、それを通して我々にビジョンを再構成させるものだといえます。ひとつの言葉の周りで伝えたいものが音として寄与するだけでなく、意味するもの、使われている場所に影響し調和しています。

 このような方法で書き始めていたので、詩が慣習に屈せず進むべき道を持っているとを確信していました。冗長な描写のない表現ができたことに加え、短くともその中でアイデアを完結できました。もしひとつの歌に5つしか行がなくとも言いたいことを書けていましたし、さらなる分量を占める心配もありませんでした。

 これはもっと若くして書いていたときとは顕著な違いです。私は昔から座ってギターと紙を使い曲を書いていますが、歌詞はそこでは完成しません。数ヶ月間、歌は未完成なままでしたが、ある日幸運なことがあり終わりを迎えました。これはもっと書きたいと思っていたからこそ起こったことだと思います。短い言葉であっても自分の言葉だからこそ探し語るのです。

 ここ数年はそのようではなく、小さな資源を基に書くことを探求しています。そして新作の全曲の中に、歌詞としての詩、言葉としての詩の両方の機能を込めることができました。

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