見出し画像

[2018.07]STEFANO BOLLANI 〜濱瀬元彦が傑作『Que Bom』についてきく

インタビュー●濱瀬元彦 interview by MOTOHIKO HAMASE

 ジャズ・ベーシストで、『チャーリー・ パーカーの技法 インプロヴィゼーションの構造分析』をはじめとした音楽理論に関する著作も多い濱瀬元彦氏にステファノ・ボラーニへのメール・インタビューをお願いした。

 ステファノ・ボラーニは、1972年イタリア・ミラノ生まれのピアニストだ。幼い頃から才能を発揮し、彼の師匠であるイタリアのジャズのキーマン、エンリコ・ラヴァはステファノ・ボラーニのことを「まさしくピアノの詩人」と喩えた。ジョビンの名曲で構成した『Falando De Amor』やリオ録音の『Carioca』を発表し、ブラジル音楽への偏愛を示してきたステファノ・ボラーニが、カエターノ・ヴェローゾ、アミルトン・ヂ・オランダ、ジャキス・モレレンバウム、ジョアン・ボスコをゲストに迎え、再度ブラジルで録音したアルバム『QUE BOM』が素晴らしく、これはぜひ濱瀬氏にメール・インタビューをお願いしたいと思った。濱瀬氏が「ステファノ・ボラーニは世界中で最も素晴らしいピアニストの1人」と捉えていることを知っていたからだ。

 濱瀬氏に質問の準備をお願いし、ステファノ側に質問を送った。回答の冒頭には、濱瀬氏へのお礼のメッセージが書いてあった。

「ハロー、濱瀬さん。この機会をありがとう!あなたが私のために準備してくれた質問から、私にはあなたがグレイトなリスナーだってことがわかるよ!!! あなたと話せて嬉しい」

 ステファノは濱瀬氏への質問に、濱瀬氏への敬意が読み取れる非常に丁寧な返答を準備し、音楽の深層についての一流の音楽家同士の真剣な対話となった。(編集部)

画像1

Stefano Bollani

画像2

Hamilton de Holanda

画像3

Jaques Morelenbaum

ここから先は

5,116字 / 1画像
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…