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[2020.02]タリスク EDMトラッド!? スコティッシュ・トラッド・フォークの台風の目

文と写真●松山晋也 text & photos by SHINYA MATSUYAMA

 昨年暮れの《ケルティック・クリスマス2019》において、爆発的スピード感に貫かれたダンサブルなサウンドで聴衆のド胆を抜いたスコットランドのトラディショナル・フォーク・バンド、タリスク。2014年にグラスゴウで結成された後、『Abyss』(16年)と『ビヨンド』(18年)の2枚のアルバムと圧倒的パフォーマンス力によって英国フォーク・シーンの台風の目となってきた。メンバーはコンサーティーナのモーセン・アミニ、フィドルのヘイリー・キーナン、そしてギターのグレアム・アームストロング(『ビヨンド』から参加)。生音による土臭いアンサンブルをじっくり聴かせる一方で、打ち込みビートや種々のエフェクターを用いたクラブ・ミュージック的音作りで観客を煽るのが彼らならではの強みだが、とりわけモーセンの野獣のような熱狂的パフォーマンスはバンド躍進の駆動力となっている。

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TALISK『Abyss』(2016年)

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TALISK『ビヨンド』(2018年)

── ライヴでは、4つ打ちビートが強烈で驚きました。テクノやロックのニュアンスを意識的に取り入れているの?

モーセン そうだね。自分たちのサウンドに一番近いことを言葉で表現すれば「EDMトラッド」かな(笑)。僕らは普段からEDMやテクノをよく聴いているんだ。スクリレックスとか。

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