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[2019.10]島々百景 #43 コロニア デル サクラメント (ウルグアイ)

文と写真:宮沢和史

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 8月の頭にサンパウロで毎年行われる〝沖縄祭り〟に出演し、去年行われたサンパウロのサントス港に初期移民を乗せた笠戸丸就航110周年記念式典以来、2年連続でブラジルのステージで歌うことができた話は前回させてもらった。これまでに何度も共演している創作エイサー集団〝琉球國祭り太鼓〟は沖縄に本部を持ち、全国、そして、広く海外に支部を持つ巨大組織だが、その中でも一番多くの構成員を誇るブラジル支部と、去年に引き続き今回も共演することができた。〝琉球國祭り太鼓〟はネット環境を駆使し、毎年同時刻に世界中すべての支部がその年の課題曲を同時に演舞するという〝エイサーページェント〟なる試みを行なっているのだが、今年は偶然にも沖縄祭り終了後の深夜25時から行われ、宮沢の曲が課題曲の一つになっていると聞き、 何をおいても、と、見学に行ってきた。多くの国のリーダーが大衆に迎合、というか、経済的弱者層をうまくコントロールし、票をむしり集め、国益のみのために他国とにらみ合う一触即発の世界にあって、毎年祖先を現世に迎え入れ、敬い、あの世に丁重に送り返す儀式〝エイサー〟を世界中で心をひとつにし、声を出し合いながら汗を流し演舞する姿に本当の平和の姿を見出した気がして、大いに胸を打たれた素晴らしいイベントに参加することができた。

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