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[2020.02]ダンスの時代 現代の盆踊り

文●大石始/写真●大石慶子 text by HAJIME OISHI /photos by KEIKO OISHI

「盆踊りは日本の伝統文化である」などという大仰な謳い文句を目にすると、「いやいや、盆踊りはストリート・カルチャーの一種だ」と言いたくなる。盆踊りのスタイルは地域によって異なるが、基本的に庶民の生活のなかで伝えられ、時には流行や社会の変化に合わせて改変されてきた。古典芸能のように頑丈な制度のなかで継承されてきたわけではなく、そのこともあって路上を行き交う庶民が求める感覚が常にダイレクトに反映されてきたともいえるだろう。「伝統的」とされる盆踊りの場合であっても、そのほとんどが明治以降に何らかの手を加えられており、高度経済成長期以降になってようやくスタイルが固定されたものも少なくない。

 昭和8年(1933年)の「東京音頭」以降には、音頭取りの生歌ではなく、レコードなどの音源を使って踊る盆踊りが全国的に定着。地域住民のレクリエーションや地域振興を目的としたそうした盆踊りは、「伝統」という看板を背負っていなかったこともあって、時には過激とも思える変化を続けてきた。昭和41年(1966年)に「オバQ音頭」が大ヒットしてからは無数のアニソン音頭が制作され、アイドルやお笑い芸人が音頭の楽曲を次々に吹き込んだ。荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」(1985年)やボニーM「Bahama Mama」(1979年)のようなディスコ・ヒッツが盆踊りに取り入れられ、関東や東海地区で「地域の伝統」として継承されているという事実もまた、ストリート・カルチャーとしてのタフネスを実証しているともいえる。

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