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[2020.12]【連載 アルゼンチンの沖縄移民史③】南米、ブラジルからアルゼンチンへ

文●月野楓子

 前回、金武出身で「沖縄移民の父」と言われる當山久三について書いたが、私自身は金武町を訪れたことが無かった。行きたいなと思っていたら、先日北部へ向かう途中に金武を通ったので、銅像だけでも見られたらと思い立ち寄った。幸いなことに資料館を見学することもできたので、どんな場所であったか、少しだけ紹介したい。

 久三の銅像は周囲より小高いところに建てられていて、そこからは海を望むことができる。海の方を向き指差しているポーズは、再建される前のステッキをついている別のポーズよりも「らしさ」があらわれているように見えた(前回の最後にも書いたが、銅像は戦時の金属回収令によって供出され、戦後に再建された。当時のレプリカが資料館にある)。

 像の後ろに立つ資料館(「當山記念館」、2016年に建築当初の姿に復元)には、久三の半生を紹介する大きなパネルが掲げられているほか、金武から各国への移民の経緯もわかりやすくまとめられている。彼が地元で大切にされてきたこと、町(移民開始当初は「金武間切」)にとって「移民」の存在やその記憶が身近なものであることが感じられる、静かな場所である。ちなみに金武は田芋(ターム、ターンム)の生産地で、近くのお店のタームパイもとても美味しかった。

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當山記念館(撮影:筆者)

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