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[2018.03]特集:アフリカ音楽の新しい地図 キンシャサの今、アフリカ音楽の今 〜Congo - Kinshasa - 2018〜

文と写真●奥村恵子 text & photos by KEIKO OKUMURA

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■キンシャサ・レポート 2018

 アフリカ大陸の真ん中に位置するコンゴは、西ヨーロッパがすっぽり入るくらいの広大な濃厚な密林が広がり、その中を幅10キロメートルに及ぶコンゴ河が流れる。 これを境に北がコンゴ共和国の首都ブラザビル。南がコンゴ民主共和国の首都キンシャサだ。最近、ちょっとしたブームを起こしている「サップ」でも、この両都市は注目を浴びるようになったが、キンシャサは特に日本では、「リンガラ・ミュージック」発祥の地としても知られている。「リンガラ・ミュージック」とは、コンゴ民主共和国のポップミュージックで、コンゴのトラディショナルをベースにキューバ音楽(ソン)を融合させた音楽ことで、キンシャサでは「ルンバ」と呼ばれ、70年代に生まれた。80年代に、ルンバのキング(サップのキングでもある)「パパ・ウェンバ(PAPA WEMBA)」が、そこにロックの要素を取り入れ、スピードもアップさせダンスパートも加え、進化させ「ルンバ・ロック」と言うものを生んだ。西欧では「スクース」とも呼ばれる。これらを日本ではコンゴの言葉、リンガラ語で歌うため、「リンガラ・ミュージック」などと呼ぶ。今は現地では「ンドンボロ」と呼んでいる。このリンガラ・ミュージックを、キンシャサと言うアフリカの一都市から、アフリカ大陸へ、そして、ヨーロッパ、世界中へと広めていった伝道師の役目を果たしたのが、「ビバ・ラ・ムジカ(Viva La Musica)」を率いる「パパ・ウェンバ」だ。そして、私はその「パパ・ウェンバ&ビバ・ラ・ムジカ」のメンバー(パーカッショニスト)を14年程、務めた。

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