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[2019.06]かもめ児童合唱団 音楽の小さな希望の光

文●松山晋也

text by SHINYA MATSUYAMA

 神奈川県の三浦半島の尖端にある港町・三崎といえば、まぐろ。だが今、もう一つの名物が注目を浴びている。地元の小学生を中心とするかもめ児童合唱団だ。2010年にデビュー・アルバム『焼いた魚の晩ごはん』を発表した後、13年には「私の世界」がTVドラマ『泣くな! はらちゃん』の劇中歌としてヒット(16年の2作目『インターネットブルース』にも収録)。そしてこの3月には3作目『ワンダフル・ミュージック!』も出た。


 かもめのコーラスは、ウィーン少年合唱団のような美しく均整のとれた、いわゆる〝天使の歌声〟ではない。過疎化が進む港町に暮らす普通の子供たちによる普通の合唱だ。そのデコボコさは一般的な音楽審美眼からすれば〝シロートのガキの遊び〟と評されてしまうかもしれない。が、ひとつひとつの声から伝わる個性、歌う喜び、輝かしい生命力にどうしようもなく心打たれてしまう。また、唱歌や童謡よりもフォークやポップスやロックの名曲を積極的に歌うレパートリーのユニークさも大きな魅力だ。これまでに、由紀さおり、杉田二郎、ゆず、井の頭レンジャーズ、坂本慎太郎などがかもめをフィーチャーした作品を発表してきたし、5月末におこなう渋谷クアトロでのライヴには、直枝政広(カーネーション)、入江陽、黒沢秀樹(元L R)、高木壮太とインターナショナル・プレイボーイズといったポップ・シーンのクセモノたちもゲスト参加することになっている。

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