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[2024.9]生誕130年記念 北川民次展 メキシコから日本へ〜 世田谷美術館で開催!(9/21〜11/17)

文●編集部

北川民次という画家をご存知だろうか?

1914年(大正3年)に20歳で渡米、ニューヨークやマイアミなどで働きながら絵を学び、1923年(大正12年)にメキシコへ行く。
当時のメキシコは革命後の壁画運動に沸いていた。壁画運動とは、革命の意義やメキシコ人としてのアイデンティティーを、わかりやすく印象的に民衆に伝えることを目的とし、その媒体として誰でも見れる壁が選ばれた。

メキシコでは、新進画家、美術教員として活動、1936年に日本に帰国した後は、東京・池袋を経て愛知・瀬戸に居を定め、晩年まで精力的に作品や著作を発表した。

本展では、メキシコ時代から一貫してみられる、市井の人々への温かなまなざしと鋭い社会批判をはらむ代表作に加え、未来の社会をつくる子どもに向けた絵本や美術教育の仕事、また1955年のメキシコ再訪を経て取り組んだ念願の壁画などにも注目している。

油彩約60点、水彩、素描、版画など約50点に、1920〜30年代メキシコの多様な芸術動向に関する資料、当時交流した芸術家たちの作品を加えた約180点により、北川民次の表現を多角的に見つめる、約30年ぶりの回顧展となる。

北川民次展―メキシコから日本へ
会期:2024年9月21日(土)~11月17日(日)
会場:世田谷美術館 1階展示室
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:毎週月曜日 
※9月23日(月・振休)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振休)は開館、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)は休館
主催:世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)、東京新聞
後援:世田谷区、世田谷区教育委員会


会期中ミュージアムショップでは、北川民次展のオリジナルグッズのほか、色とりどりのメキシコ雑貨や、メキシコのコーヒー、紅茶、チョコレートなども多数販売されるとのこと。メキシコ、中南米を愛するe-magazine LATINA の読者の方にぜひ足を運んでいただきたい展覧会です。

また、関連イベントも開催されます。ぜひこの機会にご覧ください!

関連イベント
ミニレクチャー「30分でよくわかる! 北川民次展のポイント」
北川民次の作品に初めて出会う方、展覧会の構成や見どころを短時間で知りたい方にむけて、担当学芸員がお話しします。
日時:9月29日(日)、11月16日(土) いずれも午後3時~3時30分(開場午後2時30分) 
会場:講堂
講師:塚田美紀(本展担当学芸員)
定員:先着140名
料金:無料
※当日午後2時より講堂前にて整理券を配布
※手話通訳付き

レクチャー「北川民次の歩んだ道」[世田谷美術館友の会共催事業]
展覧会の構成や見どころに加え、1920-30年代メキシコの多様な芸術動向や野外美術学院、また戦後日本の公共空間と壁画など、北川の表現の背景にあるトピックについても概説します。
日時:10月12日(土)午後3時~4時30分(開場午後2時30分) 
会場:講堂
講師:塚田美紀(本展担当学芸員)
定員:先着140名
料金:無料
※当日午後2時より講堂前にて整理券を配布
※手話通訳付き

トーク①「戦後日本の美術教育と北川民次」
本展のキーワード「美術教育」を掘り下げるトーク。戦後復興期の日本では創造美育協会をはじめ、新しい絵の会や造形教育センターなどさまざまな団体が生まれ、新時代の美術教育を模索しました。美術教育に関する北川民次の言葉は、そうした状況でどのように受けとめられたのでしょうか。美術教育雑誌の編集に長く携わったゲストと担当学芸員が語り合います。
日時:10月26日(土)午後3時~4時30分(開場午後2時30分)
会場:講堂
ゲスト:穴澤秀隆(元『美育文化』編集長、NPO法人市民の芸術活動推進委員会理事、國學院大學栃木短期大學非常勤講師)
聞き手:塚田美紀(本展担当学芸員)
定員:先着140名
料金:無料
※当日午後2時より講堂前にて整理券を配布
※手話通訳付き

トーク②「現代メキシコで生まれている壁画と版画―人々の声と表現」
本展のキーワード「壁画」「野外美術学校」を現代につなげるトーク。2000年代以降、メキシコ南部のオアハカ州では、美術を学ぶ地域の若者たちが街中の壁に大きな版画を貼り、政治や社会に対する自らの声を表現し始めました。この現代メキシコの動きと、1920-30年代の野外美術学校で北川が目指したことは、どのように響きあうのでしょうか。現地の最新動向を知るゲストと担当学芸員が語り合います。
日時:11月9日(土)午後3時~4時30分(開場午後2時30分) 
会場:講堂
ゲスト:清水チナツ(カルチュラルワーカー、PUMPQUAKES)  
聞き手:塚田美紀(本展担当学芸員)
定員:先着140名
料金:無料
※当日午後2時より美術館エントランスにて整理券を配布
※手話通訳付き

(ラティーナ2024年9月)


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