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[2024.1]2023年ブラジルディスク大賞 関係者投票③

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。
(カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)


●西島浩一郎

ラブエフエム国際放送番組プロデューサー兼警備員指導教育責任者
博多ボサノヴァ奉行を名乗りブラジル音楽やジャズのイベント、ライブを主催。「中洲ジャズ」「中洲まつり」「十日恵比須神社大祭」警備隊隊長。
ボサノヴァレコードコレクター。
お堅い警備業の世界にボサノヴァフレーバーを流布するべく活動中。

再発を含め新譜のリリースがレコード盤で入手できるのは非常に嬉しい。10枚選んだ。1位は進化し続ける歌姫グレッチェン。卓越したリズム感とリオネルの打楽器的なギターは最高。エリスの1969作のカヴァーも素晴らしい。②③はジョアン親子がランクイン。⑤はブラジリアン・グルーヴマスターからの日本のシティポップス界への究極の挑戦状。⑦ドナートの歌伴名演奏。⑩はトニーニョの明るい未来を信じる浮遊感に満ちた傑作。

1. グレッチェン・パーラト & リオーネル・ルエケ / リーン・イン(Gretchen Parlato & Lionel Loueke / Lean In)

2. ベベウ・ジルベルト / ジョアン(Bebel Gilberto / João)

 3. João Gilberto / João Gilberto Ao Vivo no SESC 1998

 4. Marcelo Costa / Vol. 2

 5. エヂ・モッタ/ ビハインド・ザ・ティー・クロニクルズ(Ed Motta / Behind The Tea Chronicles)

  6. Dora Morelenbaum / Vento De Beirada(7INCH EP)

 7. 小野リサ / サウダージ(LP)(Lisa Ono / Minha Saudade)

 8. Maria Luiza Jobim / Azul 

 9. Adriana Calcanhotto / Errante

10. Toninho Horta & Dorota Miśkiewicz / Bons Amigos

 

●ノビオ

フリーランス・プログラマー。バンドリンを演奏する。

はじめにキュートな①を選んだ。ネオアコ的な感触やフレンチ風のメランコリーが良い。声や楽器の重ね方もハイセンス。②はロウレイロ関連作。幾何学的な変拍子と無機的な歌の組み合わせが秀逸。名前から想像できる③は楽曲の風景感が心地よい。古のショーロ歌謡を現代屈指の演奏陣とアップデートした④は予想外に新鮮。⑤~⑧など欧州発の好作品が多数。⑨は個人的に独プログレと同じ分類。思い入れのある⑩はやはり低音域が良い。

 1. Maria Luiza Jobim / Azul

 2. Nara Pinheiro / Tempo de vendaval

 3. Mônica Salmaso e André Mehmari / Milton

 4. Wanderléa / Wanderléa canta choros

 5. Andrea Caparros / Confidence

 6. アンナ・セットン/未来はもっと美しい(Anna Setton / O futuro é mais bonito)

 7. ペドロ・ホーザ / ミッドナイト・アウヴォラーダ (Pedro Rosa / Midnight alvorada)

 8. As Madalenas / As Madalenas

 9. ファビアーノ・ド・ナシメント / ダス・ヌーヴェンス(Fabiano do Nascimento / Das nuvens)

 10. ベベウ・ジルベルト / ジョアン(Bebel Gilberto / João)


●濱瀬元彦

音楽家。ベーシスト。『チャーリー・パーカーの技法』(岩波書店)など著書多数。2024年2月20日にライブ、濱瀬元彦 LIVE at JZ Brat vol.3 行います。

①、② いずれもベースの Michael Pipoquinha での演奏が光る。③、④かつてコンビを組んでいた T. Parra、V. Ovsepian がそれぞれ新たなパートナーを得た作品。⑤ A. Loureiroのプロデュース作。⑥、⑦はいずれもベテランの新録音。⑧ A. Mehmariの軽快さを示す良作。⑨ R. Passosの本来の姿に回帰。⑩ 今年、88歳で亡くなられた巨匠の最後の作品。

1. Toninho Horta & Dorota Miśkiewicz / Bons Amigos

2. Vanessa Moreno / Solar 

3.  Erika Ribeiro & Tatiana Parra / entre luas

4.  Vardan Ovsepian & Song Yi Jeon / Lawless Heart

5.  Nara Pinheiro / Tempo de Vandaval

6.  Ivan Lins / My Heart Speaks

7.  Dori Caymmi / Songbook : 80 anos de um cantador

 8.  André Mehmari / Choros e Pianos

 9.  Rosa Passos e Lula Galvão / Rosa Passos e Lula Galvão

 10.  ジョアン・ドナート / セロトニーナ(João Donato / Serotonina)


●堀内隆志

カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ
カフェ経営の傍らラジオ番組でトークと選曲。たまに執筆。

今年は良作が多過ぎて、この10枚を選び順位を付けるのが大変だった。昨年12月にリリースされた1は、ポップセンス溢れる内容でとにかく最高の一言。2と3、4も1からの流れで選出。5は出すべき人がリリースした作品で来日公演も感動的だったし、初録音が聴けたまさかのライブ音源の6も驚いた。自然体の7、ちゃんと独自のスタイルを貫いた上での大御所カヴァー集8と10も聴きごたえのある力作。9の安定感も素晴らしかった。

1. Góbi / Maça do Amor

2. アナ・フランゴ・エレトリコ / ミ・シャマ・ヂ・ガト・キ・エウ・ソウ・スア (Ana Frango Elétrico / Me Chama de Gato que Eu Sou Sua)

3. Viratempo / Cidade Tropical Pensamento

4. Tagua Tagua / Tanto

5. ベベウ・ジルベルト / ジョアン(Bebel Gilberto / João)

6. João Gilberto /  João Gilberto Ao Vivo no SESC 1998

7. Maria Luiza Jobim / Azul

8. Hamilton de Holanda / Samurai (A Música de Djavan)

9. Mahmundhi / Amor Fati

10. Xande de Pilares / Xande Canta Caetano


●MAKO

リオ在住の歌手、パーカッショニスト。
ブラジルを拠点に活動する歌手・パーカッショニスト。ソロアルバム「幾つかの色」「オアシス」を発表。ムリェーレス・ド・シコ、ピアノオーケストラでも活動中。2023年にはStar+のシリーズ「How to Be a Carioca」で歌手で俳優のセウ・ジョルジと共演。
https://www.instagram.com/mako_music/

ブラジル音楽史上最高のサンビスタ、ウィルソン・ダス・ネヴィスがこの世を去り、彼の偉大な功績を讃え、次世代に伝えるべく偉大な作品として残された『センザーラ・イ・ファヴェーラ』(1)。暫く活動休止していたジャヴァンの復活に歓喜し、秀逸な作品をふんだんに盛り込んだアミルトンの『サムライ』(2)。カエターノの数々の名曲を粋なパゴージに変貌させた、シャンヂの『シャンヂ・カンタ・カエターノ』に乾杯!(3)。

 1. Wilson das Neves / Senzala e favela

 2. Hamilton de Holanda / Samurai (A Música de Djavan)

 3. Xande de Pilares / Xande canta Caetano

 4. V.A. / Biscoito Fino

 5. Vanessa Moreno / Solar

 6. Maria Rita / Samba da Maria Ao vivo

 7. Zélia Duncan, Ana Costa / Sete mulheres pera independência do Brasil

 8. Zé Ibarra / Marquês, 256

 9. Elza Soares / No Tempo da Intolerância

 10. Dori Caymmi / Songbook : 80 anos de um cantador

(ラティーナ2024年1月)



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