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[2023.7]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2023年7月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。

※レーベル名の後の [ ]は、先月の順位です。
「Transglobal World Music Chart」は、世界各地のワールドミュージック専門家の投票で決まっているワールドミュージックのチャートです。主な拠点がヨーロッパなので、ヨーロッパに入り込んだワールドミュージックが上位にランクインする傾向があります。


20位 Hiram Salsano · Bucolica 

レーベル:Hiram Salsano [9]

 1988年生まれ、イタリア南部カンパニア出身、現在はチレント在住の民族誌研究者、パフォーマーのヒラム・サルサノ(Hiram Salsano)のデビューアルバム。
 南イタリアの伝統舞踊と音楽、特にカンパニアの伝統舞踊に関心を寄せ、南イタリアの口承レパートリーなどを研究してきた。研究中に得た要素を彼女の音楽的感性で融合させ、人間にとって原始的な楽器のひとつである声に焦点を当て、伝統的な歌が伝える意図と表現を維持しようとするために制作された作品。
 本作では彼女は歌だけではなく、tammorraと呼ばれるフレームドラムやカスタネットも担当。他にアコーディオンや、ギター、バグパイプ、ウード、ドラムなどの演奏サポートもある。
 彼女は、イタリア国内および海外の伝統舞踊ワークショップで講師を務める一方、チレント地方のオリーブの木の工芸品に特化した家族の工房で研究・制作を行っている。そして田舎に住んで家族のために自給自足をしているそうだ。彼女の歌から自然が大いに感じられるのは、そのせいだろうか?
 上記動画では口琴から始まるのだが、それ以降に驚かされた。人々が這うようにして草を食べ、そして謎の男性が刀を披露する。この意味がわからない!何か意味があるのだろうか?(意味が知りたい!)
 不思議な世界観を醸し出している動画ではあるが、アルバムとしては伝統的な歌に向き合い、自身の研究成果として正統派の作品となっている。土着感があり、かつ斬新で新鮮さも感じられる作品。

19位 Frigg · Perintö / Heritage

レーベル:Bafe’s Factory [25]

 フィンランドの民族音楽を演奏する弦楽器グループ、フリッグの最新作。
 2000年に10代の民族音楽愛好家たちが集まりグループを結成。メンバーは7人で、フィドルが4本、コントラバス、ギター、マンドリンなどの弦楽器で構成。2002年に1stアルバムがリリースされ、グループは北欧の民族音楽界で話題となる。そして北欧はもとよりヨーロッパでの民族音楽のイベント、また世界のフェスなどにも出演。20年以上の活動で、10枚のアルバムをリリース、世界各国での演奏は30ヶ国、1000回以上を超える。結成当初の民族音楽に対する情熱は未だ冷めやらず、有名になった現在でも新たな道を切り拓き続けている。2012年には来日し全国ツアーも行っている。
 ハイレベルな演奏テクニックを持ちながら、伝統的な演奏スタイルに対する理解と知識も深く併せ持つ。フィンランドの伝統的な民族音楽を現代的な音楽として世界に広めることに大きく貢献しているグループである。
 彼らのレパートリーである、フィンランドの伝統的なポルカやワルツなどのダンスの曲などが本作に収録されている。弦楽器だけのシンプルな構成だが、とても芸術的でテクニックが素晴らしい。アルバムタイトル『Perintö』は「遺産」を意味する。伝統的な民族音楽を、現代的に美しく活き活きとした文化的な遺産として甦らせている。圧巻の演奏力。

18位 Rastak · Essentials

レーベル:Rastak [-]

 イランの現代民族音楽界で最も有名なバンドのひとつである、ラスタク(Rastak)の最新作。
 1997年に実験音楽グループとして結成され、イランの民族音楽を収集、記録、解釈し、世界中の聴衆に届けることを目指している。結成当初から、よく知られている地域の音と、あまり知られていない地域の音を組み合わせることで、世代間のギャップを縮め、イランの音楽に地理的な架け橋を作ろうとしてきた。様々な音楽的背景を持つ多様なメンバーで構成されており、言語や文化、歴史を取り入れ、伝統的な楽器や形式を現代のリズムと融合させている。グループ名の「Rastak」は、ペルシャ語で樹木の下部に生える新生植物を意味する。地中に根を張り、生命に必要な要素をすべて含んだ植物が完全に成長した姿が、各メンバーの音楽的背景や歴史、文化のルーツが集まり音楽を制作していく姿ととらえ名付けられた。ヨーロッパをはじめ中東やアジアなど世界各国の国際音楽祭やコンサートに出演し、評価を得ている。
 イランの弦楽器であるタンブール(Tanbur)やセタール(Setar)、カマンチェ(Kamancheh)、ゲイチャク(Gheychak)、ウード、カーヌーン、そして打楽器のダフ(フレームドラム)や、divan(ディヴァン)などの民族楽器を演奏する。
 本作は、彼らが今まで発表した楽曲から10曲を厳選し、再録音、リマスタリングしたアルバム。ある意味ベスト盤と言えるだろう。彼らの多様な世界観が堪能できる作品。

17位 Matthieu Saglio · Voices

レーベル:ACT [-]

 フランス出身で現在はスペイン・バレンシアを拠点に活動しているチェリスト/作曲家のマテュー・サリオの最新作。
 クラシックで活動していたが、1996年からジャズへと転向。2002年にバレンシアに移住してからは、フラメンコと、フラメンコギタリストとして有名なリカルド・エステベ(Ricardo Esteve)と出会い、フラメンコ、ジャズ、クラシックを融合させたトリオ「Jerez Texas」を結成。25ヶ国で500回以上のコンサートを行い、5枚のアルバムをリリースしている。この他にもクラシック音楽から即興音楽、ジャズ、フラメンコ、伝統音楽といったように多様なプロジェクトに参加し活動している。2015年にフランス系アルジェリア人シンガーでチェロ奏者のネスリーヌ・ベルモク、スペイン人ドラマーのダヴィッド・ガデアとともに新たなトリオ「NES」を立ち上げた。2018年に
ドイツの名門レーベルACTからアルバム『Ahlam』をリリースし本格的に活動を開始、アラビックなセンスとジャズの即興をミックスした作品は国際的に高く評価された。
 彼のソロアルバムとなる前作『El camino de los vientos』は、2020年4月にACTからリリース、Spotifyだけでも700万回以上再生され、こちらも国際的な批評家から高い評価を得た。
 そして最新作となる本作はチェロの音色で最もよく言われる特徴である人間の声との類似性を強調する作品となっている。タイトルが『Voices』と付けられていることからも窺える。本作には、ペルーのスサーナ・バカ、アゼルバイジャンのアリム・カシモフ、ベルギーのナタチャ・アトラス、スウェーデンのニルス・ランドグレン、セネガルのワシス・ディオプ、スペインのアンナ・コロン、フランスのカミーユ・サリオといったように世界各地の歌手が参加している。彼のチェロ、レオ・ウルマンのヴァイオリン、スティーヴ・シェーンのドラム、クリスチャン・ベルオムのピアノのカルテットで演奏。前作の成功と勢いを土台にした作品となっており「地中海、アフリカ、アジアを巡る変化に富んだ音楽の旅」と表現されている。歌だけでなく彼のインスト曲も収録されており、魅力的なチェロの音が堪能できる作品となっている。

16位 Inna Baba Coulibaly · Djilly Kawral

レーベル:Remote / Studio Mali [18]

 Inna Baba Coulibalyは、マリ共和国西部のクリコロ州のナラ地区で生まれ育ったフラニ族の歌手。そこは、北にはモーリタニア・イスラム共和国との国境を接する文化のるつぼの地域だ。Inna Baba Coulibalyは、新しいアルバム『Djilly Kawral (2023)』で、4世紀の頃から同地に住むFulbé、Soninke、Bamanan、Moor のコミュニティの文化遺産を統合した音楽を奏でている。

「自分が曲を書いているのではなく、より深い源から自然発生的に湧き出る歌を、自分の声を通じて形にする器としての役割を担っている」(Inna Baba Coulibaly)

 月明かりの下で歌うのが好きな子どもだったが、若くして結婚し、歌うことが禁じられたが、祭で歌うように指示され、コンテストでNo1になり、存在が知られるようになる。

 1970年代半ばに、マリの首都バマコに移り住み、有名なンゴニ奏者である Amadou Djeliba の家に頻繁に通い、演奏に魅了された。演奏には、アリ・ファルカ・トゥーレもしばしばギターで参加していた。こういった環境で、Inna Baba Coulibalyは、ソロ歌手を目指すようになり、1975年3月に、Amadou Djeliba や アリ・ファルカ・トゥーレ と、『Sahel』を1日でレコーディングした。

 それから時を経て『Djilly Kawral 』で歌うのは、愛と平和への呼びかけであり、家族やコミュニティから、精神性や民族の誇りまで、さまざまなテーマをカバーしている。歌の面で、Inna Baba Coulibaly とコール&レスポンスしているのは、娘のAwa Pouloだ。本作で、Inna Baba Coulibalyは、リスナーを彼女の生まれ育った地域の伝統音楽の豊かな世界に引き込んでいく。

15位 Shono · Kolkhozoy Traktor

レーベル:CPL-Music / CPL-Musicgroup [-]

 ロシア連邦の一つでバイカル湖の東岸、モンゴルの隣国に位置するブリヤート共和国のバンド、Shonoのセカンドアルバム。
 ブリヤート人の音楽家で喉歌の達人、教師でもあるアレクサンドル・アルヒンチェフによって2014年に結成されたバンドで、ブリヤートの伝統音楽と西洋のロックが融合された音楽を演奏する。メンバーは4人で、モリンホール(馬頭琴)、モンゴルの琴ヤトガ(yatga)、ベースとドラムの構成。1stアルバムでは、ブリヤートの伝統音楽だけでなくオリジナル曲も収録、様々な喉歌を披露した。二作目となる本作では、アレクサンドルが子供の頃に祖父母から聞いた曲を現代的にアレンジした曲が収録されている。自然や動物に対してのブリヤート民族の価値観を表現し、ブリヤートの文化的な遺産を守り、後の世代へと受け継いでいく伝統へのオマージュが込められている。
 伝統楽器を使い、かつ現代ロックの楽器であるベース、ギター、ドラムも使い、疾走感あるサウンドを展開、そしてそこに喉歌が入っているのがとても斬新。高いテクニックを持つバンドだと認識させられる。
 本作アルバムタイトル『Kolkhozoy Traktor』は「稼ぎ手」「鉄の馬」という意味で元々はブリヤート民謡のタイトル。農業機械(要はトラクター!)の力と信頼性について、そしてどんな天候でも夜明けから夕暮れまで畑で仕事をする、善良で勤勉な人々を賞賛している歌だそうだ。それにしてもトラクターの上で演奏するなんて……(上記動画より)と、思わず見入ってしまう。
 また、バンド名を日本語で「生の〜」と表現しており、それが1作目のアルバムジャケットから入っているのがとても気になる。「の」はなぜひらがななのか?当て字ならば「野」とか「乃」でもよかったのでは?などと余計なことを考えてしまうのだが……。もちろん本作のジャケットにも記載あり。どういう経緯でこの日本語が入っているのか?とジャケから興味をそそられる作品。

14位 Al Bilali Soudan · Babi

レーベル:Clermont Music [13]

 グループ名の「Al Bilali Soudan」は、西アフリカのマリ共和国内のニジェール川の中流域、川の湾曲部に位置する砂漠の民トゥアレグ族の都市「トンブクトゥ」の昔の名前に由来する。Al Bilali Soudanは、トゥアレグ人のグリオによる冠婚や祝祭のダンス音楽、“タカンバ”をベースにし、現代のバンジョーの先駆けである「テハルダント(弦楽器ンゴニと同じ、タマシェク語でこう呼ぶ)」の掛け合いが聴きどころだ。

 2012年のデビューアルバム時点では、純アコースティックなテハルダントの演奏だったが、2020年の前作『TOMBOUCTOU』でテハルダントが電化し、クラクラするようなトランシーな音圧に圧倒されるようになった。「砂漠のブルース」と言われる素晴らしいバンドもいくつか存在するが、Al Bilali Soudanのサウンドは、ノイジーで無機質で最も荒々しい。
 打楽器のメンバーは、大型の瓢箪を2つに割った打楽器、カラバシを演奏する。大地を叩くようなカラバシの音がビートを刻む。
 ヴォーカルは、歌というより叫び / 語りであり、この音楽的の原始的で力強い磁力を増幅している。

 メンバーは全員、何世代にもわたって “タカンバ” を演奏してきたトゥアレグ族の出身で、テハルダントの名手であるAbellou Yattara がリーダーを務めている。

13位 Jawa · Last Breaths from Aleppo

レーベル:Muziekpublique [22]

 シリア北部の古都アレッポには、豊かな音楽的スーフィーの伝統が数十年にわたって口伝で伝えられてきた。しかし、2011年から続くシリア内戦、そして2023年に発生した大地震によって住民たちは難民として街を離れてしまい、伝統の秘密を守り続けてきたスーフィーの巨匠たちもシリアの音楽シーンから徐々に姿を消しつつあり、長い歴史の中で大切に守られてきた音楽の宝とも言えるこれらの楽曲が永遠に失われてしまう危機に瀕している。そこで、このスーフィーを保存し継承しようと立ち上がったのが、アレッポの伝統音楽に精通する音楽家7人によるユニットJAWA(ジャワ)だった。
 本来ならばスーフィー音楽に楽器は用いられないのだが、彼らはネイ、カーヌーン、ウードなどといった中東の伝統楽器を取り入れている。複雑なリズムと中東のマッカム(即興演奏の音楽的技法)を持つ古典的な演奏方法を守りながら、伝統的な楽曲を彼ら独自の感性で再構築している。
 上記動画で確認できるのだが、この音楽の踊りともいえる回旋舞踊(セマー)もスーフィーの修道僧ダルヴィーシュによって披露されている。本作のジャケットにも使われており、この舞踊の伝統も守ろうとしているのがよくわかる。
 本作で、伝統に新たな息吹を吹き込むことにとって守るべき伝統の危機を阻止しようとする彼らの熱い熱意が伝わる作品だ。


↓国内盤あり〼。(日本語解説付き)

12位 Saîdê Goyî · Jinê

レーベル:Saîdê Goyî [-]

 トルコ東南部シュルナク県ウルデレ地区出身のクルド人 Saîdê Goyî (サイデ・ゴイ)のデビューアルバム。長年音楽活動に携わってきたが、昨年EPをリリース、アルバムとしては本作が最初となる。
 彼はデンベジ(dengbêj:クルド語に由来し「deng(声)」と 「bêj(伝える)」が融合した)と呼ばれる吟遊詩人。クルドの民族音楽はクルド文化の重要な一部であり、伝統的にデンベジによってクルドの歴史に関する物語を伝えるために使われてきた。これらの吟遊詩人たちは、その無限のレパートリーと比類なき即興の技で、数え切れないほどの世紀にわたる詩を遺してきた。彼もその一人である。
 息子に背中を押され昨年EPをリリースしたが、同じクルド人のアリ・ドゥガン・ギョニュルタシュ(Ali Doğan Gönültaş)がプロデュースを担当。(アリはソロでも活躍する音楽家で本チャートにも登場している)本作もアリがプロデュースし、また一緒に歌ってもいる。
 本作『Jinê』とはクルド語でJinêは人生と女性を意味する。サイデの人生で忘れがたい女性たちへの賞賛と愛情が込められているそうだ。詳細な彼の年齢はわからないが、歩んできた人生の豊かさ、そして伝統的な文化の豊かさも込められており、味わい深い彼の声が響く。言葉の意味がわかればなおいいのだろうが、声とチェロやネイなどのシンプルな組み合わせだけでも堪能できる作品。今後も世界にクルドの伝統文化を広めてほしい。

11位 Bantu · What Is Your Breaking Point?

レーベル:Soledad Productions [-]

 13人編成のアフロファンク/アフロビート音楽集団、Bantu(バントゥ)の最新作。
 1996年ドイツ系ナイジェリア人のアデ・バントゥ(Ade Bantu)とアビオドゥン(Abiodun)兄弟によってドイツで結成された。アフロビートやアフロファンク、ハイライフ、ヨルバ音楽などナイジェリアの豊かな音楽遺産と、アフリカの都会とディアスポラのハイブリッド・サウンドを融合した楽曲を展開。社会正義への強い願望を原動力としており、彼らの音楽と歌詞は、当初からドイツやヨーロッパ、ナイジェリアやアフリカを問わず、汚職、不正、移民、外国人嫌悪、都市疎外などの問題を取り上げてきた。
 また、レコーディングや作曲などの制作活動以外にも、過去10年以上にわたってナイジェリアのラゴスで毎月開催してきたコンサート・シリーズ&音楽フェスティバル「Afropolitan Vibes」を通じて、ナイジェリアのライブ・ミュージック・シーンの復活にも貢献してきた。結成以来、ヨーロッパとアフリカでヒットを連発、主要な賞を獲得してきた。
 本作は、2017年リリース『Agberos International』、2020年リリース『Everybody Get Agenda』に続き、ジャンルと時代を定義する3部作の3作目となるアルバム。タイトルは「あなたの限界点はどこですか?」と聞いている。パンデミックと共に、ナイジェリアでは警察の横暴や犯罪行為に対する前代未聞の抗議デモが起こり、ナイジェリア人は限界点に達した。アフリカで最も人口が多く文化的に重要な国であるナイジェリアの政治の変化と音楽の進化に、グローバルな視点で注視してほしいと我々に迫っている。質問と同時に彼らの声明としての表現も込められている。
 と、メッセージ性ある作品ではあるが、サウンド自体はファンキーですごく格好いい!ホーン隊とコーラスのバランスがとてもいい。本作では、アフリカ系アメリカ人のラッパー、アクア・ナル(Akua Naru)もゲストで参加。疾走感あるサウンドに彼女のラップが乗り、とても心地良く、コーラスとのコラボが素晴らしい!ユニットの結束力がサウンドに表現されている作品。これは良いです!

↓国内盤あり〼。(日本語説明帯付き)

10位 Seckou Keita with BBC Concert Orchestra · African Rhapsodies: A Work for Kora and Symphonic Orchestra

レーベル:Claves [17]

 ソロだけでなく、イギリスのハープ奏者カトリン・フィンチ(Catrin Finch)とのデュオ(『Clychau Dibon』(2013年)、『SOAR』(2018年)、『Echo』(2022年))や、キューバ出身のピアニストオマール・ソーサ(Omar Sosa )とのデュオ(『Transparent Water』(2017年)、『Suba』(2021年))でも世界的に高い評価を得ているセネガル出身のコラ奏者セク・ケイタ(Seckou Keita)。「コラ」は、西アフリカが発祥のリュート型撥弦楽器で、300年以上に渡って受け継がれてきた伝統的な民族楽器だ。ハープやギターの原型とも言われ、アフリカの民族楽器の中でも最も美しい音色を持つとされる。

 過去、何世紀にもわたってオーケストラは、ヴァイオリンやピアノ、フルートなどのための編曲がされてきたが、この録音は、「アフリカの魔法のような美しい音を奏でる楽器」コラを讃えて、コラとオーケストラのために書き下ろした楽曲をスタジオでレコーディングしたもの。作曲はセク・ケイタで、オーケストラのための編曲をしたのはイタリア人作曲家の Davide Mantovani。オーケストラは、BBCコンサート・オーケストラだ。また、南アフリカのチェロ奏者Abel Sealocoe と、ガンビアの打楽器奏者Suntou Sussoがゲスト参加している。

 音楽とはどこから来てどこへ行くのか、私たちはどこから来てどこへ行くのかを考えさせられる魅惑的な作品。美しく壮大。

A work composed by Seckou Keita and arranged by Davide Mantovani
African Rhapsoides is a work in partnership with BBC Concert Orchestra
Conducted by Mark Heron
Produced by Seckou Keita & Chélima

9位 Eliades Ochoa · Guajiro

レーベル:World Circuit [-]

 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのメンバーで、歌手/ギタリスト/作曲家のエリアデス・オチョアの最新作。前作が再リリースされ2022年11月に本チャートに初ランクインしていたが、今年最新作をリリースし、夏から秋にかけてヨーロッパ〜全米ツアーを予定しており、精力的に活動していることが窺える。
 長年キューバのソンを演奏してきたが、本作では今までと少し違ったことをやりたかったそうで、プエルトリコのプレナや、ブルースなどソン以外のジャンルにもチャレンジしている。またユパンキの作品「Los ejes de mi carreta」も収録、キャリアに裏付けされたヴォーカルとギターを披露している。本作では、ブルース・ハーモニカ奏者のチャーリー・ミュッセルホワイト(Charlie Musselwhite)、ファニア・オールスターズのレジェンドでパナマの歌手ルーベン・ブラデス(Rubén Blades)、そしてアメリカのSSW、ジョーン・アズ・ポリス・ウーマン(Joan As Police Woman)など、キューバ音楽以外のミュージシャンたちと共演している。
 本作では個人的な自分の物語について語っている。彼がキューバの伝統にしっかりと根ざし、普遍的であると同時に時代を超越した魅力を持つアーティストであることを表現している。キューバ音楽だけではない、彼の新たな章が始まったといえる作品だ。

8位 Bokanté · History

レーベル:Real World [-]

 スナーキー・パピーのリーダー、マイケル・リーグをはじめ数人のメンバーも参加しているユニット Bokanté(ボカンテ)の3作目となるアルバム。
グループは2016年にマイケル・リーグにより結成され、2017年には1stアルバム『Strange Circles』、2018年には2作目『What Heat』をリリース。2ndアルバムはグラミー賞にノミネートされるほど高く評価された。
 ユニット名の Bokanté とは、ヴォーカルのマリカ・ティロリアンが幼少期を過ごしたグアドループ(カリブ海に浮かぶ西インド諸島の島嶼群にあるフランスの海外県)のクレオール語で「交流」を意味する。4大陸5カ国(グアドループ、アメリカ、日本、ガーナ、スウェーデン)から9人のメンバーで構成されており、それぞれの音楽的アイデンティを融合させながらグローバルな音楽を創り上げていくのに相応しい名前と言えよう。(ちなみに日本からのメンバーはスナーキー・パピーのメンバーでもある小川慶太氏)
 アルバムタイトル曲「History」(マイケルとマリカによる共作詞)以外の全曲はマリカがグアドループ・クレオール語で作詞。歌詞は、黒人の歴史や、アイデンティティ、脱植民地化、戦争の無益さ、世界的な団結などといった問題に焦点を当て、最近の時代精神を表現している。また音楽的には、前作同様に西アフリカとアラブ世界におけるブルースのルーツを辿りつつ、彼らが得意とする西洋音楽と融合させている。アラビア音楽のウード、モロッコのゲンブリやカルカバ、そしてアフリカのジャンベやンゴニなどの民族楽器を使い、独自の世界観を表現している。何より4人のパーカッショニスト(ウィーディー・ブライマー、アンドレ・フェラーリ、ジェイミー・ハダッド、小川慶太)のテクニック、音がとても特徴的。マリカのクレオール語のリズミカルなヴォーカルと重なったグルーヴ感が半端ない。
 パンデミックでしばらく物理的に会えなかったメンバーが、スペイン・バルセロナ郊外の小さな村にあるマイケルの自宅に集合し、レコーディングしたそう。全ての要素がうまく重なって出来上がったグルーヴ感が本当に素晴らしい。前進するために「歴史」を振り返る、そのためのアルバム。

7位 Omara Portuondo · Vida

レーベル:One World [8]

 現在92歳のキューバの至宝「オマーラ・ポルトゥオンド(Omara Portuondo )」。全11曲中10曲に、一流のゲストを迎えており、ベスト盤か何かの企画盤かと見間違うようなレパトリーの面構えだけれど、92歳のオマーラがリリースした新作オリジナル・アルバムで、タイトルは「人生(Vida)」だ。心して聴くべし!

 前作『Omara Siempre』をリリースしたのは87歳の時。90歳のオマーラは、パンデミックによって、ツアーを中断しせざるを得なくなりハバナから動けなくなったが、この人類史の重要な時期に、やはり音楽で表現することを選んだ。オマーラの息子で、彼女のキャリアを20年以上支えてきたAriel Jiménez Portuondoは、近年グラミー賞にもノミネートされているグアテマラ出身のシンガーソングライター、ギャビー・モレノ(Gaby Moreno)という今のオマーラにとって完璧なプロデューサーを見つけ、オマーラと繋ぎ、レコーディングを企画した。
 オマーラは、本作に多くの愛情を注ぎ、長年の友人や音楽で繋がった仲間たちと、リモートで繋がり、本作の制作に参加してもらい、オマーラの築き上げてきた音楽的遺産へのトリビュートでもいうべき、濃密な本作が完成した。

 時代を超越する楽曲たちを、伝説となる歌手たちと歌っている。人生へのオマージュを表現したTr1「Bolero A La Vida
feat. Gaby Moreno」やTr10「Gracias A La Vida. feat. Natalia Lafourcade」。Tr2「Silencio. feat. Andy Montañez」、Tr4「Duele. feat. Gonzalo Rubalcaba」、Tr7「Se Feliz. feat. Keb’ Mo’」というバラードには、パンデミックによって失われた親愛なる友人たちを悼むオマーラのメランコリーが反映されている。また「BLM(ブラック・ライヴズ・マター)」運動に共感し、今再び歌わなければいけない楽曲として、1963年にレナ・ホーンが歌い、70年代にオマーラがキューバで有名した楽曲Tr8「Now」を取り上げている。ビッグバンドに乗せて歌うオマーラ・ポルトゥオンドの歌声は、とてもとても力強い。

 また、本作がラストアルバムなどというわけではなく、間も無くステージで歌うことを再開し、録音も続けていく。しかしながら、「人生(Vida)」というタイトルにも現れているように、音楽活動を通じて人生を愛してきたオマーラの音楽的遺産が散りばめられた特別なアルバムだ。

6位 Blick Bassy · Madiba

レーベル:InFiné [34]

 カメルーン出身で現在フランスを拠点に活動するSSWのBlick Bassy(ブリック・バッシー)の最新作。本作が彼にとって5枚目のアルバムとなる。
 1974年生まれで21人兄弟(すごい!)の一人としてカメルーンの首都ヤウンデで育った。3歳から歌い始め、本格的にバンド活動を始めたのは17歳の時。1996年に結成したバンド「Macase」で活動すると、国内はもとより国際的に評価されるようになる。2005年パリに移住し、そこからソロ活動を開始する。最初のアルバムは2009年リリースの『Léman』で、2015年にはiPhone 6の世界発売のテーマソングとしてフィーチャーされた曲「Kiki」も収録されている『Akö』をリリース。前作は2019年にリリースされた『1958』で、カメルーンの政治的英雄の一人であり、1958年に殺されたルーベン・オム・ニオベをオマージュした作品だった。
 本作のタイトル『Mádibá』は、バサ語(カメルーンに居住するバサ族の言語)で「水」を意味する。「水」をテーマとし、世界的な水危機に対する認識を高め、人々に安全な水と衛生設備へのアクセスを提供することを目的としたNGO法人を支援する目的で制作された。
 ブリックのギター、トロンボーン、トランペットにシンセサイザーや電子音がミックスされていて「水」の演出も効いている。メッセージ性を強く含みながらも、全体的には穏やかな楽曲ばかりの印象。柔らかく我々を包み込むようで、時にはしなやかな強さも感じられる彼の歌声がとても美しい。高音域が特に美しい。アフリカ人アーティストでパーカッション色が少ないのに、歌声だけで強さが感じられるのも珍しいのではないだろうか。バサ語は理解できないが、感情が込められた美しい声に心動かされる。ソウル、フォーク、エレクトロが交差する現代的で詩的なアフリカ性が感じられる作品。

5位 Baaba Maal · Being

レーベル:Marathon Artists [4]

 ユッスー・ンドゥールと並ぶセネガルの音楽家、バーバ・マールの最新作。前作は2016年リリースなので、7年ぶりのリリースとなる。
 セネガル北部の町ポドール出身で、パリにも音楽留学し30年以上音楽活動をしているベテランミュージシャン。海外でも公演するなど、国外のミュージシャンたちとの繋がりも深い。フラ族の言語であるプラール語で歌い、その伝統を広く伝えている。また、人道的な活動も精力的に行っており、国連親善大使にも任命されている。
 本作のタイトル直訳は「〜であること」。アフリカ出身であること、シンガーソングライターであること ……など、パンデミック期間中に「ただ存在すること」が重要だと感じて名付けられた。
 プロデューサーのヨハン・カールバーグ(Johan Karlberg)と、アイデアやデータをやり取りしながら制作したとのこと。エレクトロニックとアコースティック、スピード感とスロー感、自然とテクノロジー、古代の儀式のような感じと未来への高揚感など、相対する部分がシームレスに融合した音楽となっている。ロンドンのグループ The Very Best のシンガーでマラウィ出身の Esau Mwamwaya や、新人シンガー Rougi、モーリタニアのラッパーGeneral Paco Lenol もゲスト参加している。
 砂漠のブルースやトランスっぽさもあり、そしてスピリチュアルさも感じられる。高揚感を得て、最後の曲は儀式で歌われているよう。歌というより世界に向けた彼の魂の祈りに聞こえる。アルバムに引き込まれてしまい、何度もリピートしてしまう。素晴らしい!

4位 Damir Imamović · The World and All That It Holds

レーベル:Smithsonian Folkways Recordings [6]

 本作で聴くことができるのは、東欧ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の首都サラエヴォが生み出した大衆音楽が「セヴダ」。アラビア語の「愛」に由来するこの音楽は、同地がかつてオスマン帝国に支配されていた時代に起源を持つ。20世紀になると大衆音楽として大きく成長を遂げた。「セヴダ」のサウンドからは、バルカン半島からアラブ、トルコの息吹が存分に感じられる。

「セヴダの王様」ことダミール・イマモヴィッチ(Damir Imamović|1978年サラエヴォ生)は、父や祖父もセヴダの音楽家という家系に生まれ、2004年に、26歳でプロ・デビューした。ドキュメンタリー映画でその音楽活動が取り上げられたことがきっかけで人気を博した彼は、その後も若者たちにセヴダの魅力をアピールし続ける作品を数枚リリース。2016年、ドイツのレーベル“Glitterbeat”から発表した『ドヴォイカ~セヴダへの誘い』や、2020年の『シンガー・オヴ・テイルズ』で、世界のワールドミュージック愛好家にも名前が知られるようになった。

 ボスニア系アメリカ人作家アレクサンドル・ヘモンによる同名小説のサウンドトラックとして本作は制作され、アレクサンドルのよる小説執筆に並行して制作が進んだ。同小説は、2人のボスニア人男性、セファルディ・ユダヤ系のピントとイスラム教徒のオスマンとの間に繰り広げられる愛と喪失、苦難と忍耐の物語だ。本作でダミールは、その物語を、ボスニア語、セファルディ語、ラディノー語という3種の言語を使用し、タンブール、タール、アコーディオン他の美しい演奏を伴奏に、力強くも絶妙なテナー・ヴォーカルで聴かせている。

↓国内盤あり〼。(日本語解説付き)

3位 Ali Farka Touré · Voyageur

レーベル:World Circuit [2]

 マリの伝説的なギタリスト/ヴォーカリスト、アリ・ファルカ・トゥーレの未発表音源集。アリの息子のヴィユー・ファルカ・トゥーレとクルアンビンが、アリをリスペクトしてリリースしたコラボ作品が今年1〜3月の本チャートにランクインしていたのも記憶に新しいが、本作はアリ自身の作品。2011年にグラミー賞ベスト・トラディショナル・ワールド・ミュージック賞を受賞したアルバム『Ali & Toumani』以来のリリースとなる。
 マリの伝統的な音楽スタイルとブルースの明確な要素を融合させ、今では「デザート・ブルース(砂漠のブルース)」としてよく知られる画期的な新ジャンルを生み出した。残念ながら2006年に亡くなってしまったが、今なおアフリカ音楽、ワールド・ミュージックの伝説とされている。
 本作は、1991年から2004年にかけて即興のジャムセッションやコンサートのリハーサルで録音された未発表の音源で、息子のヴィユーの協力を得て制作された。それぞれ録音されたのだろうが、アルバム全体の流れとしてはとても自然に感じられ、まるであらかじめ制作する予定であったかのように聴こえるのが素晴らしい。本チャートの2021〜2022のシーズンベストアルバムにも選ばれたマリ出身のベテラン女性歌手ウム・サンガレも参加し、マリのスーパースターの共演が実現されている。
 タイトルは「旅人」を意味する。彼の生涯、そして亡くなってもまだ「旅人」であることを意味しているのであろう。伝説として世界的に尊敬されていることを再認識した作品だ。

2位 Kayhan Kalhor and Toumani Diabaté · The Sky Is the Same Colour Everywhere

レーベル:Real World [1]

 カイハン・カルホール(Kayhan Kalhor)と トゥマニ・ジャバテ(Toumani Diabaté)という、ソリストとして当地ではそれぞれ巨匠として知られる2人が、即興で演奏するデュオ・ツアーの最終公演を終えた後に録音された。
 ツアーが行われたのは2016年9月で、8年の歳月を経て、この特別なアルバムが世に出た。

 何世紀にもわたる音楽の伝統の担い手である2人によるスピリチュアルな瞑想の世界は、1人の時間に座って聴くのに相応しい。天空の音楽。

 イラン出身のカイハン・カルホールは、ヴァイオリン、フィドルの源流の楽器と言われる擦絃楽器「ケマンチェ(kamancheh)」の名手。4本の弦を短い弓で弾く。膝をついて演奏するこの楽器の演奏について「野生の馬に乗るようなもの」とカイハンは言う。西洋クラシック音楽の範疇では扱えないくらいの微分音を駆使する楽器だ。カイハンは、Yo-Yo Ma’s Silk Road Ensemble、Kronos Quartet、Shujaat Khan、Erdal Erzincan、the Rembrandt Trioらとコラボレーションしてきた。

 マリ出身のトゥマニ・ジャバテは、ひょうたん、牛の皮で作られた西アフリカが発祥のリュート型撥弦楽器、コラの名手。コラは、300年以上に渡って受け継がれてきた伝統的な民族楽器で、21弦ある。ハープやギターの原型とも言われ、アフリカの民族楽器の中でも最も美しい音色を持つとされる。トゥマニ・ジャバテは、グラミー賞を3回受賞、Ballaké Sissoko、Taj Mahal、Ali Farka Touré、Björk、ロンドン交響楽団とレコーディングとこれまでレコーディングしてきた。

 イラン出身のカイハンが、アフリカのミュージシャンとコラボレーションするのは今回が初めて。
「ペルシャ音楽において、私が好きな特徴のミニマリズムとトランスの特徴は、トゥマニの音楽にもあると思います。アフリカ音楽の質の高さには、ずっと惹かれてきました。トゥマニの音楽もとても質が高い」と、カイハンは言う。
 このデュオのアイデアは、カイハンがこれまで何度か演奏してきたドイツの音楽フェスティバル「the Morgenland Festiva」のディレクター、Michael Dreyerによるものだった。カイハン と トゥマニ による準備は最小限のもので、音階や構造についての話にすらならなく、「ある確かなもの」を確認しただけのサウンドチェックで、2人は約90分の演奏に入っていった。

 同フェスティバルでの2人の完全即興初演の様子は、こちら(↓)の映像でも見ることができる。

1位 Fatoumata Diawara · London Ko

レーベル:3ème Bureau / Wagram Music [3]

 マリのワスル地方出身の両親を持つ、コートジボワール生まれで、現在はフランス在住の女優/シンガー・ソング・ライター、ファトゥマタ・ジャワラ(Fatoumata Diawara)のソロ名義3作目のアルバム。前作『Fenfo (Something To Say)』から5年ぶりで、2011年に『Fatou』でデビューしてから12年で3作と寡作といってもいい作品数である。

 女優として活躍していたファトゥマタはしだいに歌に目覚め、ウム・サンガレやロキア・トラオレといったマリ人歌手らに触発されプロを目指すようになった。
 本作は、マリの音楽を愛好しているBlur / Gorillaz のデーモン・アルバーンと共同制作した作品で、一緒に歌っているのはもちろん、曲作りも共同で行っている。デーモンが参加している先行シングルTr1「Nsera」の音色には、かなりGorillazと共通したものも感じる。前作に比較して、ワスル音楽色は薄れて、ヴァラエティに富んだアフロ・ポップ/ソウル寄りの作品となっている。

 ゲストに共同名義のアルバムのあるRoberto Fonseca(キューバ|Tr3)の他、Angie Stone(米国|Tr2)、M.anifest(ガーナ|Tr5)、Yemi Alade(ナイジェリア|Tr11)ら、カラフルな面々が参加。


(ラティーナ2023年7月)

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