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Web版 2022年11月

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#ブラジル

[2022.11]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㊱】キューバで親交を持った盟友の歌 — Yolanda

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  この連載の第17回目の記事では、映画の主人公の心の中で蠢めく欲望を示すかのような歌詞が続く中で、「頭の中や口の中で蠢めく何か」など、表現の自由を奪われている当時の時代の人々の本音を間接的に表しているとされる、O que seráという歌を扱いました。  この歌をめぐって、作者のシコ・ブアルキは、革命後のキューバの様子を伝えるカメラマンのフェルナンド・モライスが見せてくれた写

[2022.11]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉟】 上からでも下からでも読める歌詞 — Corrente

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  シコ・ブアルキは、ポルトガル語の歌詞を、実に巧妙に操ります。多くの作品において、誰かを批判した内容であるのに、そう見えない歌詞になっていたり、文脈や着眼点次第で二重三重にも異なる意味を感じ取ることができる複雑な作品があったりと、卓越した技を見せてきたことについて、この連載で何度かご紹介してきました。  中には、体制批判の歌に数えられる作品とみられつつも、表面上は一切非難する

【追悼】[2022.11]悲報!!! ブラジル最高の女性歌手、ガル・コスタ逝く!!!

文●本田 健治 texto por Kenji Honda  ブラジルから悲しすぎる報せが届いた。  2022年11月9日、ブラジル・ポピュラー音楽界の至高の歌手、ガル・コスタがサンパウロの自宅で、77才の生涯を終えた。  前の週に、サンパウロで開かれた大きなフェスティバル「プリマベーラ・サウンド」というイベントのアトラクションに出演する予定だったが、少し前に行った右鼻窩のしこりを取り除く手術の回復が思わしくなく、休養が必要なため、直前で参加を取りやめていた…。  5

[2022.11] 【アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉜】アメリカ生活での出来事を3か国語でユーモラスに表現 - Chansong

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  60年代に入ってからのボサノヴァの世界的ヒット、シナトラなどの著名アーティストとの共演・レコード録音など、華麗な舞台を得たジョビンは、米国で生活する日々も長くなっていきます。そのような中、本人も異国の環境によく適応し、一部作品の英訳詞は自らが制作するなど、芸術と実務の両面で才能を発揮していきますが、あくまで自分はリオっ子であり、ブラジルに帰って暮らしたいとよく語っていたジョビ