[2022.11]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉟】 上からでも下からでも読める歌詞 — Corrente
文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura
シコ・ブアルキは、ポルトガル語の歌詞を、実に巧妙に操ります。多くの作品において、誰かを批判した内容であるのに、そう見えない歌詞になっていたり、文脈や着眼点次第で二重三重にも異なる意味を感じ取ることができる複雑な作品があったりと、卓越した技を見せてきたことについて、この連載で何度かご紹介してきました。
中には、体制批判の歌に数えられる作品とみられつつも、表面上は一切非難する