[2021.04]【島々百景 第59回】 秋田県 その2
文と写真●宮沢和史
自分は生まれた時から身体が弱く、小児喘息を患っていて、かかりつけの内科の先生からは “風邪の神様” というありがたい汚名を授かり、発育も遅く、身体も小さく幼稚園をよく休んだ。小学校1〜2年生まではそんな調子だったのだが、3年生になり、高学年の先輩との集団登校が終わると近所に住むある同級生がよく声をかけてくれるようになり、登下校を共にする時間がひとつの楽しみになった。荒川という甲府盆地を流れる川の近くに僕らは住んでいたのだが、その男の子がある時、荒川へ釣