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Web版 2022年9月

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#グローバルミュージック

[2022.9]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉖】 Carlos Malta e Pife Muderno em GIL『Suíte Viramundo』

文:中原 仁  マルチ・リード奏者、カルロス・マルタが率いる “笛と太鼓のバンド”、カルロス・マルタ&ピフィ・ムデルノの『Carlos Malta e Pife Muderno em GIL』。80歳を迎えたジルベルト・ジルの名曲を約40曲、アルバム4作品にまたがって演奏する壮大なプロジェクトだ。8月上旬に第1弾『Suíte Viramundo』が、9月上旬に第2弾『Suíte Tempo Rei』がデジタル・リリースされ、10月に『Suíte Primazia』、11月に

[2022.9] 【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉝】希望が見え始めた時代 - 《Fantasia》

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  権力を批判する歌を多く書いたことで知られるシコ・ブアルキですが、彼が、厳しかった抑圧時代の辛さとその先に見え始めた希望を、権力との対抗を直接示さない形で表現した、「Fantasia(幻想)」という、少し角度の異なる作品があります。この歌は、1979年に上演された男性4人組コーラスのMPB-4のライブ・コンサート「いい天気、そうだよね」(Bons tempos, hein?!)

[2022.9] ドリ・カイミ & モニカ・サウマーゾ インタビュー後編 「ブラジルへの愛の宣言」

  アルバム『Canto Sedutor』をリリースしたばかりの作曲家ドリ・カイミ(Dori Caymmi)と歌手のモニカ・サウマーゾ(Mônica Salmaso)へのインタビューの後編です。アルバムのサウンドの構築やテコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)のプロデュースについて、このアルバムでの挑戦についてを語ってくれました。 文:ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz) ▼ ── アルバム収録曲の編曲はどうでしたか? ドリ・カイミ まず私が全部編曲を書いて、

[2022.9] チン・ベルナルデス (TIM BERNARDES) インタビュー ⎯⎯ チン・ベルナルデスのコントラスト(前) ⎯⎯

 チン・ベルナルデスのコントラスト (Os contrastes de Tim Bernardes)  サンパウロ出身のシンガーソングライターは、 2枚目のソロアルバム『Mil coisas invisíveis』で MPB新世代を代表するアーティストとしての 地位を確立した。 ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ 文:ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz|サンパウロ在住、ブラジル人音楽ジャーナリスト)  グループ「オ・テルノ(O Terno)」でデビューして以来、注目を集めてきた

[2022.9]【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉚】 子供たちに歌わせても、大丈夫? ─ 《Pra mode chatear》

文と訳詞●中村 安志 texto e traduão por Yasushi Nakamura  ジョビンの作品は、もともと学んだクラシックの作曲の延長として試みた作品(主に初期)、ブラジルの50年代の歌謡曲に沿った伝統的スタイルのラブソングの部類のほかに、ボサノヴァと呼ばれるようになった斬新なリズムと和声が響く作品群の中だけでみても、しっとりと慕情を語る歌、悲しい歌、人間の虚栄心に対する皮肉を込めた歌など、様々な世界を描く作品に分かれていますが、わかりやすい子供向けの歌を

[2022.9] ドリ・カイミ & モニカ・サウマーゾ インタビュー前編 「ブラジルへの愛の宣言」

文:ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz)  ドリ・カイミとモニカ・サウマーゾの作品に共通しているのは、鳥、川、海、奥地、星空…といったものに代表される「ブラジル」です。アルバム『Canto Sedutor』で2人を結びつけているのも、この伝統的なブラジル音楽という同じ橋です。アルバム『Canto Sedutor』は、Biscoito FinoからデジタルプラットフォームとCDでリリースされました。  異なる世代のMPBの2つの声を組み合わせるというアイデアは、女性歌手