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[2022.9] ドリ・カイミ & モニカ・サウマーゾ インタビュー後編 「ブラジルへの愛の宣言」


  アルバム『Canto Sedutor』をリリースしたばかりの作曲家ドリ・カイミ(Dori Caymmi)と歌手のモニカ・サウマーゾ(Mônica Salmaso)へのインタビューの後編です。アルバムのサウンドの構築やテコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)のプロデュースについて、このアルバムでの挑戦についてを語ってくれました。

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文:ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz)

── アルバム収録曲の編曲はどうでしたか?

ドリ・カイミ まず私が全部編曲を書いて、それから相談して進めました。この過程で、プロデューサーでもあるテコ・カルドーゾが大いに助けてくれました。その仕事ぶりに感心しました。不必要な議論になることなく、誰もNOと言わず、アイデアは常に首尾一貫しており、敬意に満ちていました。「プロデューサーが歌手の夫だから誰も反対できないね」なんて冗談を言っていました(笑)

── アルバムは、バイアォン、フレーヴォ、サンバなどのブラジルのリズムで成り立っています。このアイデアは、どうやって生まれましたか?

ドリ・カイミ 私の曲には、ブラジルのリズムの曲しかないからだと思います(笑)

モニカ・サウマーゾ 私は、スローで悲しい曲を録音する傾向があります。ドリもそうなるだろうと思っていたかもしれません。でも、「Flauta, Sanfona e Viola」や「O Passo da Dança」のような曲は、晴れやかでよりリズミカルな時間をもたらし、また、ゆっくりとした曲を圧倒することもなかったです。歌うのに素晴らしく、かつ挑戦になるということに加え、アルバムの中で息抜きの時間を作り、そしてまた繊細な時間に再び入り込むことができるのです。

── テコ・カルドーゾのプロデュースは、あなた方にとってはどうでしたか?

モニカ・サウマーゾ テコは『Alma Lírica Brasileira』(2011)以降、私のアルバムをプロデュースしています。彼には虚栄心がありません。彼は自分が参加したい作品に没頭しますが、それはそこで自分の手柄を示したいからではありません。テコはそんなことを注意を向けていません。
 彼が、チアゴ・コスタ(Tiago Costa|ピアノ)、シヂエル・ヴィエイラ(Sidiel Vieira|アコースティック・ベース)、ネイマール・ヂアス(Neymar Dias|ヴィオラ・カイピーラ)、ルリーニャ・アレンカール(Lulinha Alencar |アコーディオン)、ブレー・ホザーリオ(Bré Rosário|パーカッション)を呼んできました。

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